第20話

「あ、それと……あたしのコンプレックスは大きい胸じゃなくて、小さい胸だから。五反田家ではあたしよりも大きい人が居て、それでコンプレックスなのよね」


「……はあ?」


 つい、そんな贅沢すぎる悩みにムカついて声が出てしまった。ムカつき過ぎて着替えている最中のゆきに向かって飛びつく。狙いはあのビックバストだ。


「ちょっと、急にどうしたの!? んっ、やめ、なさっ……!!」


「こんなにたわんでいるくせに小さいとか……何を抜かすかっ!! わたしなんか、どれだけ努力してもあんまり大きくならないんだぞっ!!」


「ひゃんっ……そんなの、しら、ないぃぃ……」


 力が抜けていくゆきの身体を支えつつ、わたしは両手の指という指を器用に動かし、彼女のたわわな果実を犯していく。指の間で零れるおっぱいはえっちだった。


「いやあっ、そんなに激しく揉まないでえ……なつぅ」


「やさしく揉めばいいんだね、分かったよぅ」


 次第に声を我慢せずに喘ぎ始めるゆきが卑猥で、わたしまで変な気分になりそうだったけど、あいにくそちらの気はない。いまはただ、ゆきにお仕置きするだけ。


「うう、今度はやさし過ぎて、なんだかくすぐったいわね」


「ねえ、ゆき……もしかして感じているの? それってすごく色っぽいんだけど」


 やつあたりでしかないけど、いまはこれがとても心地よかった。胸の小さいものが大きいものを支配する、このおっぱい下剋上的な現状が快感だった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る