第19話

「ところでさ、ゆきってすっごいおっぱい大きいよね。学校の身体検査でも思ったけど、たぶんクラスで一番じゃないのかな?」


「え、なに……藪から棒に。確かに他の人にも言われることが多いけれど、あんまりそうは思わないわね。いちおうあたしのコンプレックスだから」


 常に自信に満ちているゆきのことだから、コンプレックスなんてないと思っていたから、とても意外だった。ちなみに、わたしのコンプレックスは意外に思われるかもしれないけど、背と胸が小さいことだ。万年貧乳で困っている。


「でもさ、大きい胸がコンプレックスって言っている割には、雄二との件があったときに、思いきりビックなバストを露出していたようにも見えたけど?」


「露出って言い方はやめてもらえるかしら。それだとまるであたしが、変態みたいに聞こえるじゃない……あれは露出とかじゃなくて、諦めの境地よ。確かに弐宮くんに見られたときは焦ったけれど、壱河くんに見られても同じだから」


「なるほど……諦めねえ」


 それならば、男子の視線があったのにもかかわらず、恥ずかしがらずに平然としていた様子が納得できる。てっきり本気で痴女説を疑っていたりもしたけど。

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