第18話

「あなたが訊けないなら、あたしが訊きに行くわ。あなたのせいで、ふたりが恋人なのかどうかをはっきりさせないと落ち着かないわ。授業にも集中できないし」


「そ、それはダメだよ。何というか、反則技みたいじゃないか」


「くだらないことで悩み続けるよりも、すぐに訊いて解決させたほうが楽よ、きっと。あなただって、むらむらしているときは我慢しないで慰めるでしょう?」


「でもそれで、ふたりが付き合っていたらどうするのさ?」


「そんなの知らないわよ。ふたりが付き合っていたからって、気取らずに接すればいいじゃない。現にふたりは恋人疑惑があるのにもかかわらず、あたしたちに普通に話していたでしょう? ただの友だちとして」


 言われてみれば、確かにそうだ。賢一もなつも、僕たちをまるで普通の友だちと遊ぶように接してくれていた。僕が気を遣っていたのが嘘みたいに自然体だった。


「じゃあ、ふたりは僕のことを友だちとして見てくれているってこと?」


「だからそれをふたりに訊いてみなさいよ。あたしはあなたの知恵袋じゃないわよ」


 それなら僕は、変に距離を置かずにふたりの傍にいられる。ふたりが付き合っていようといなかろうと、僕は賢一となつをただの友だちとして見れるだろう。

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