3. 逃げ


半年がすぎる前は、みんなにバレないように家でデートしていた。


はるとの親は仕事でいないから、はるとの家に行くことが多かった。


「髪、触っていい?」

「うん。」


生きていた中で1番胸が熱くなって、なんとも言えない感情になった。


「すみれ、すきだよ」

「わたしも」


嬉しかった。


そしてキス。キスの仕方は携帯で調べたりしたけど、軽いキスが好きだった。

軽いキスでは物足りなくなり、よく漫画で出てくるような、唇を舐めるのを少しやった。

するとはるとは、どんどん口の中に入ってきた。だけど深いキスは嫌だなと思った。

なんだか気持ち悪い。



キスだけじゃ物足りなくなり


「おっぱい、見る…?」

「え?いや大丈夫…」


少し、びっくりしていた。嫌われたかな。


好かれたくて聞いたのに

男子って喜ぶと思っていたのに


もう自分がどうとか、不快に感じるとかわからなかった。深いキスは嫌だけど。

矛盾していた。



そして二ヶ月経てば、胸もアソコも触るようになっていた。


でもこの日は、私のアソコをはるとが初めて舐めていた。


「親、帰ってきた…やめて…」


「大丈夫、バレない」


「でも…んっ…」




それからも、そういうことは、していた。


そして、はるとの親がいる日に遊びに行った時、お母さんから嫌われているような気がした。

無視されているような。

そして、はるとは何故かあまり体に触れてくれなくなった。


もしかして と、気がついて、はるとに問い詰めた。


そう、あの日。全部を見られていた。はるとのお母さんに。

家族会議になり、はるとはひどく怒られ、絶対わたしには言うなと。

今後、そういうことは、しないということ。


「すみれ、本当にごめん、あの時やめていれば…」


言葉が出なかった。


「本当にごめん…」



「はるとは悪くないよ、私こそごめん」


親を裏切ってしまったという気持ちは私よりはるとの方が大きかっただろう。

まだ中学生なのにこんなことしてるという自覚もあった。


本当に、秘密。誰にも言えない失敗、後悔、罪悪感。


「すみれとはもうエッチなことはしない」

「わかった」


こんなこと守れるはずはなかった。

2人とも、お互いに溺れていた。

逃げていた。


はるとの家には一切行かなくなり、私の家で遊ぶようになっても、現実から、罪悪感から逃げるように求めあった。

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