2. 過去


私と彼氏は、もうすぐで6年だ。

でも。


物事は簡単に脆く崩れ落ちる

燃え尽きたら後は朽ちるだけ


偽りの5年間であり本当の5年間

始まり方も終わり方も全て完璧にしたかった

綺麗じゃないといけないと思っていた

愛 嘘 情 心の偏り 感情的に進む恋愛


そして誰にも言えない私の中のSatan




れんにもきっと、私と同じSatanがいた



れんに出会う前までは、Satanを隠していた時は、壊れていなかった。

_______


中学一年生の冬、私のことを好きな男子がいた。名前ははると。

剣道部で、真面目で頭が良い。授業ではいつもうるさく、怒られていた。

クラスの全員に私のことが好きと言いふらしていた。恥ずかしかった。


でも面白半分で、どっきりメールして、やりとりが続いたからノリで付き合った。

でも付き合っていることはみんなに秘密にしたかった。なぜなら、はるとはクラスメイトから評判が悪く、自分までバカにされるのが嫌だったからだ。


「付き合っていることは誰にも言わないでね。絶対に。」


「わかった。すみれが言うなら絶対に言わない」


でも1週間後、はるとはほかの男子に付き合ってることをバラしたのだ。


絶対なんてない。

最初の時点で早く別れようなんて考えていた。


「ほかに好きな人ができた。別れよう」


「絶対に嫌だ、もう誰にも言わないから。つい嬉しくて話しちゃったんだ、許して…」



結局、半年間は誰にも言わずに秘密に付き合っていた。

仲のいい親友にも、クラスのいつめんにも、誰にも言わずに。


私が秘密にしたかったのは、はると自体が恥ずかしかったというより、

いつめんに、はるとの元カノがいたから。

そしてはるとが好きだったほかの女子から、はるとからどんなアプローチを受けたのか聞きたかったからだ。


自分だけが特別、恋してる自分を特別だと思いたかった。

はるとが好きだから付き合うというより、好きでいて欲しい。求められたい。


そして半年が経って、やっと付き合っていることを話すとみんな驚いた。


「あんなに悪口言っていたのに、付き合っていたんだ、びっくりしたけどおめでとう」


悪口を言っていたのは、はるとが好きだった女から本音を聞き出すため。



「あり得ない、なんで言ってくれないの」


いつめんからは、嫌われた。

はるとの元カノは、別れたのを後悔していたし、いつめんは、私に裏切られたと思ったみたいだ。

第一、いつめんに何でも話す必要はないし、いつめんが嫌い。


私の中のSatanがバレた瞬間、嫌われる。


「ほんと、意味わかんない」

「すみれってわからない」

「わかりやすそうで、なに考えているかわからない」

「どうして言ってくれないの?」


本当のことを話していたら、嫌われる。

ただそれだけ。

自分を隠すことに必死だった。

秘密にして、嘘をつけばいいと思っていた。



でも、はるとと2ヶ月の時、事件は既に起こっていた。誰にも言えない秘密が出来てしまった。



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