HARTS-097 『最古級人型遺物』


UVL:10

SL:1

ML:4

AL:1


《管理方法》

 HARTS-097の安全な保管には専用の特殊な霊廟施設が必須であり、さらに保管リスク回避のため通常70年周期で霊廟の新設が必要になる。また霊廟施設でのHARTS-097の保管には、[検閲済み]族の血筋を継承する司祭が携わる必要が有るため、財団保有施設を用いての保管は難しく、そのため[検閲済み]国政府直属担当庁と提携しての保管状態の維持管理に努める必要がある。

 霊廟は[検閲済み]と呼称される特殊な構造体をなし、霊廟内部にはさらにUVL7相当にあたる霊体遺物を安置し、さらには厚さ10cm相当の[検閲済み]で鋳造された高さ1,5m、直径60cm程の大きさのUVL6、AL4相当アーティファクトを用意する必要がある。


《説明》

 HARTS-097は人型男性の姿をした遺物であるとされるが、その体躯や容姿についての詳しい情報は甚だ不明な点が多い。

 HARTS-097の存在や情報等は、古く[?]世紀以前から示唆されており、主に[削除済み]や[削除済み]などの伝記・書物、または[削除済み]神話における伝承と付会させる説もある。最古の文献としては、[??]、[???]、[??????]、HARTS-3029などに記載が有り、これらの記載には創作や、他のアーティファクトとの混同も含まれるものの、いずれもHARTS-097そのものを示唆した記述であることは間違いないと考えられている。

 HARTS-097は凡そ[?]世紀頃に誕生したと考えられており、HARTS-1256等と同様、[検閲済み]族固有の身体的構成要素を多分に有したSPG適性の極めて高い人類である事が推察される。

 文献研究や考古学的検証から、HARTS-097は[?]世紀末に絶命ないしは3.5次元空間へ精神隔離されざるをえない状況に至ったと考えられ、それ以来、現[削除済み]国政府に通ずる古代政権監視の下、現在に至るまで休眠(仮死)状態にある。

 HARTS-097の破壊は、度々試みられてきたようであるがいずれの例においても、明確な物理的損傷を与えられたケースは無く、そればかりかHARTS-097に危害を与えようと図った関係者においた、重篤な疾病、原因不明の突然死などといった尋常ならざる事態の発生が記録上確認でき、財団による統計分析でもHARTS-097による有意的な影響性が認められた。

 現状、HARTS-097は半死半生の状態にあると推定され、体組織は未だ風化することなく霊廟内部に保管されている。

 2[???]年に発生したHARTS-C-156(通称:赤い夜)を機に引き起こされた3,5次元空間の異常変動により、一時HARTS-097の保管状態に問題が発生すると、財団職員含む多数の人間が死亡する事態に至ったが、その後HARTS-097の保管状態は元の安定状態に戻っており、それから現在にいたるまでMLの低下は発生していない。

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