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風の囁き
此所は遥けき処です。
数多巡りて辿り着いた
あすこは儚き処です。
幾ら巡りても辿り着かぬ
其処は如何なる処でせう。
巡り巡りていつか願う
※※※
さぁ、卵白の如き月すらもう眠りて
星も静かになりました。
梢鳴らせば不満げに
もう貴方もお休みよなどと戯れ言をば。
昼間はあんなに
撫ぜてやったというのに……。
私は数多を巡りまして
そしてやうやう知りました。
私の居場所はあすこだと。
今日も明日も
辿り着かぬ。
だからただただ
巡るのです。
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