重なる世界、ギャミングステイト
「…何故か分かるか?」
師匠は試す様に此方を見てそう言った。
魔王が蘇る理由…か。
ふーむ、この世界には輪廻転生が在って、そのサイクルが150年だから、とかか…?
…いや、違うな。
師匠はノーヒントで聞いて来た。
なら、答は聞いた話の中に有るはず…。
「…魔王を産み出した神々がまだ存在しているから…ですね…。」
「うむ。正解じゃ。」
そう、魔王を倒した所で神々が滅びる訳では無い。
神々が滅びない限りは魔王は永遠に生まれ続けるのだろう。
「ですが、師匠。
ならば何故150年もの時間が必要なのでしょうか?
それこそ連発して産み出せば、あっという間に滅ぼせるのに。」
「それも諸説あるのぅ。
神々の時間的概念が我々とは全く違うと言う説。
神々が楽園の種を準備するのにそれだけの時間がかかると言う説。
神々が
因みにワシは、最初と最後の説の両方だと考えとる。」
「
「あぁ、すまんな。
この世界に神々が干渉するには、幾つもの“壁”を経てからで無くてはならんのじゃ。
この世界…つまりワシ等がいるギャミングステイトは、その壁の一番最後の場所にあると言われて居る。
まぁ、壁と言っても概念的なものじゃが。
その壁が並ぶ場所を“
ふむ、マトリョーシカみたいに、この世界も幾重もの殻に包まれてるって事か…?
「でも、どうしてそんな壁が必要なのですか?」
「神々の力は我々の概念を遥かに上回るものなのじゃ。
もし、この世界に直接干渉出来る程の場所に神々が居れば、この世界はその存在に掻き消される。
大海に雫が飲まれるのに等しくな。
じゃから、神々の干渉を、我々が存在出来る範囲に抑える為に、“
要は、神々の影響を段階的に抑える事で、この世界を破壊せずに干渉する事を可能としているって事か。
携帯小説みたいにフランクな神様では無いらしい。
…じゃあ、神々を倒して魔王が出なくするなんてのは無理な訳だ。
「まぁ、“階層世界帯の最後に有る”と言うたが、厳密には、もう1つ前の壁もこの世界と重なる様に存在しておる。
その壁の向こう側を、
その二層が混在する世界。
それがこのギャミングステイトじゃ。」
これは俺にもちょい難しいな…。
肉体と精神みたいな関係か?
互いが互いに干渉し合う…そんな感じか…。
俺が理解しようと考えていると、師匠は続けた。
「
ただ、“設計図と実物”との関係と違い、“お互いに対して”相関関係にある。
設計図に書いた事は実物に成り、実物をいじった場合設計図に記される。みたいにのぅ。」
成る程、分かりやすく成ったぞ。
「そして、
俗に言うなら、“魔術”と呼んでおるんじゃ。」
「師匠、では―…」
こうして俺は師匠から様々な事を学んでいったのだ。
具体的には分からないが、恐らくこの後、1万飛んで874文字ぐらい学んだ気がする。
携帯小説なら長過ぎてカットされるだろう。
そして3ヶ月後の冒頭に戻る。
劣化吸血鬼は己が命を乞う @Chibakansai
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