第128話 お茶の間で映画を観た日々

 昨年は『ボヘミアン・ラプソディ』と『かぞくいろ -RAILWAYS わたしたちの出発-』を見に行くことができた


 映画館に足を運ばなくなったのは・・・結婚してからか

 いや、それよりも前、二十歳くらいからだったかもしれない


 一番良く観に行ってたいのは中学生から高校生にかけて


 僕の映画体験はおそらく『ゴジラ対ヘドラ』から『メカゴジラの逆襲』までを親に連れられて観に行き、『スターウォーズ』から一人か、友達と観に行くようになり、雑誌『ぴあ』を片手に渋谷や有楽町、或いは蒲田や大井町で3本立てや4本立てを見たのだった


 さて、ここからが本題

 昭和40年代に生まれた僕としては映画とはテレビで見るものでもあったのだ

 配信でもなく、レンタルでもなく、地上波で見る物だったのである


 ジャッキー・チェンの『酔拳』、スタローンの『ロッキー』、ブルース・リーの『燃えよドラゴン』がテレビで放送された次の日は、大抵やんちゃな奴がやられ役に向かって拳法の真似事や飼育委員が鶏小屋の掃除をするときに鶏を手づかみにしようと追いかけたりしたものだ


 マニアックなやつになると『エクソシスト』の次の日は、体育館のマットの上でバタバタと暴れて見たり、『ゾンビ』の次の日はよたよたと校庭を徘徊してみたり、『刑事コロンボ』のテーマ曲を口笛で吹いて見せたりしたものだ


 ちなみに僕などは『オーメン』の雷が落ちて避雷針が落下して胸に突き刺さって新譜が絶命するシーンや体育館の壇上に上がって『エイドリアン!』と叫んでみたり、階段を駆け上がって、両手を突き上げて飛び跳ねて見たり、プールで水面から目元だけ浮上して『地獄の黙示録』ばりに目を見開いてきょろきょろしてみたり、ノートに『REDRUM』を逆さにして『MURDER』と書き直してみたり


 ハヤブサがオーストラリアに帰還したときにも『アンドロメダ病原体』が潜んでいやしないかとか、アメブロと聞くと『マックィーンの絶対の危機 (ピンチ) 人喰いアメーバの恐怖』を思い出したり・・・いやそれはないか


 そうそう、マックイーンと言えば、年末年始には特番で『タワーリング・インフェルノ』や『大脱走』をノーカット放送で!

 なんてことがとてお楽しみだったのになぁ


 楽しみと言えば『エマニエル夫人』『青い体験』といったお色気映画も欠かせない


 ”では、またあとでお逢いしましょう”

 ”いやぁ、映画って本当にいいもんですね”

 ”あなたのハートには何が残りましたか?”

 ”サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ”


 お茶の間でみんなそろってくつろぎながら映画を観る時間

 CMになるとトイレに行ったり、お茶をいれたり、ビールを冷蔵庫から出して来たり

 ”宿題やったの?”

 ”これ観たらする”

 みたいな会話が名が得る時間

 そして日曜洋画劇場が終わった後のエンディングテーマが流れる


 笑点から始まり、サザエさん、大河ドラマからの鉄板週末コンボが完成され憂鬱な気分に染められていくのである


 この共有体験、プライスレス!


 ではまた次回

 虚実交えて問わず語り

 

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