第121話 新年あけるやいなや槍を付くas soon as
明けましておめでとうを言う前に、今年もお世話になりましたを言いそびれたことを、お詫びしつつ、まぁ、すっかり不定期になってしまったこのエッセイのような単に僕が仮説を適当に書き散らかしてろくに検証もしないみたいな書き込みにお付き合いいただいたことに、まずは感謝の意を評さずにはいられないくらいに、年末に読んだ村上春樹の短編集は、それほど僕には何も残さなかったのであります
『東京奇譚集』というタイトルをBOOKOFFで見つけたとき、思わず手に取ってワンコインで購入し、そのままずっと本棚に入れっぱなしだった
数行読んで、この文体はちょっと無理かもと思ったからなのだけれども、それでもだんだん、「これはそういうものなのだ」と、その昔、AC/DCの良さがまるで分らなかった中学生の僕が、毎晩寝る前にカセットテープをオートリバースでずっと繰り返しアルバム『バック・イン・ブラック』と『悪魔の招待状』をTDKの90テープに録音した・・・たしかレンタルレコードで借りた物だったと思うが、1週間で嫌いが好きになるということを体験した自分としては、読めるところまで読んで止めるを繰り返すことで、なんとか村上節を告白したのでありました
途中、これは面白いかもと思いはしたものの、大晦日に読み終わり、その後それぞれの物語を振り返ってみたところ
僕なら、このテーマをこんな書き方はしないな
と、上から目線でも、下から拝むのでもなく、横目にそう思ったのでありました
いっそ、似たような話を書いてみようかとか、そんな邪なのか縦縞なのかはわかりませんが、もしも一緒にお酒を飲む機会があったら、『艦長! あなたは間違っている!』とデンゼル・ワシントンばりの演技をしながら、ジーン・ハックマンの艦長の地位をはく奪すべく、「なんで猿がしゃべるねん!」と突っ込むとことでしょう
まぁ、ネタバレはこのあたりにして、本題です
僕は音楽が好きで映画が好きで、漫画もまぁまぁ、アニメや特撮も好き
読書、本に関しては、正直、好きとは言い切れないところがあって、それは「あなたは人間が好きですか」と問われるくらいに、難しい問題なのです
音楽でいえば、ボブ・ディランの音楽が好きですかと聞かれているようなもの
物語というのは、それ単体として存在しえるのですが、そのなかで作家と縁が切れるものと切れないものがあると思うのですよねぇ
ボブ・ディランの曲を、音楽性だけで語るのは、やはりナンセンスだと僕は思うのです
つまり、曲とそれを作った作者がセットで語られるべきもの
物語は更にそれが重要になるのだと思います
音楽でいえばボブ・ディランの曲をいろんなアーチストがカバーした時、初めてその曲に「楽曲」として独立した価値が生まれるというか、つまり村上春樹の今回僕が読んだ作品は、着想こそ僕の心をくすぐるものの、表現方法にはどうもしっくりこない・・・この曲はもっとロック的なアプローチをすれば面白くて多くの人の共感を得られるだろうに、なんでフォークソングなんだろうとか、とかそういうことです
それでも村上春樹は世界的に認められているのだから、素人の自分が何を言うのかと思われたとしても、それでも僕はいいたのですよね
だから、どうしたと
まさに”めけめけ(MeQue_MeQe)”な精神なわけです
アンチテーゼとは違いますが、僕としては、僕が面白いと思う表現方法とテーマの扱いで、物語を紡いでいきたい
上からでも下からでもなく、横から槍を食らわしたいのです
そんなわけで、今年も攻めますよ
では、また次回
虚実交えて問わず語り
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