第122話 大吉えぶりでい!

 いつもと違う大晦日を過ごして、そしたら、いろんなことが変わったというバタフライ効果的なお話をしましょう


 親元を離れたのは平成8年、それから大晦日は実家に泊まりで過ごすようになった


 それは結婚して子供が出来てからも、よほどのことがない限りはずっとそうしていたし、大晦日は実家、初詣は品川にある『シン・ゴジラ』に登場した神社と決まっていたんですけどね


 妹が、年老いた父を気遣って、今年はお泊りなしねと・・・しかたがない。我が家で歳を越そう


 なんとも手持ち無沙汰、しかたがないのでSNS仲間とチャットを始めてカウントダウン・・・NHKで面白い番組をやっているよと教えてもらい、その中で画面のシャッフル機能を使った簡易おみくじをやっていたので、スマフォでカシャッ!


 見事カメラが捕らえたのは『大吉エブリデイ』という画像だった


 おお、これは幸先良いではないか、たとえなんのご利益がなかったとしても、気分は上々である


 さて、本日、つまり1月5日、いつもは元旦に済ませる初詣をしていない僕としては、現在執筆中の小説の取材もかねて、神田明神に行くことに。

 なかなかの人出でありましたが、一人で行動したのでサクサクと取材と好奇心を満たしながら、しっかりお参りはさせていただきました


 そして人生何度目かの大吉

 3回目だったかな

 僕は毎回当たり障りのないところしか引かないんですけどね


 まさに『大吉エブリデイ!』


 僕は信心深くもないが、それなりの礼節を持って神だ仏だと拝められる存在に対して、比較的寛大である・・・なんか罰当たりなことを言っていますかね

 大吉はありがたく今年一年、信じさせていただきます


 まぁ、いつもと違う大晦日を過ごした僕はいつもと違う初詣にいって、まさかの大吉を引き当てたというお話なんですけどね


 さて、これを単なる偶然と捕らえたり、いつもと違うことをやると、思いがけずいい結果が得られることがあるよ・・・という話に留めたくない僕はその前後のいろんなことを結びつけて”縁(えにし)”と捕らえることにしたいと思います


 その後、僕をこの地に引き寄せた建築家の『伊東忠太』、傷心のインディーズミュージシャンとデートに行った両国で観た伊東忠太の独特な建築物、神田明神と成田山の話を聞かせてくれたウィッチ、関東大震災と小田原・静岡の被害、神保町にかつてあった故樹木希林さんの実家の喫茶店『東宝』


 偶然は只のひとつ、実家に泊まれないというただ一つだけで、それらの縁に引っ張られて、僕はこの地にやってきたのです


 これはもう首塚まで行くしかない。


 将門公の首塚、それにまつわる諸説・奇談・怪談、それらを取り扱った小説や映画、ゲームは大好物なのですが、そういった伝説・伝承について、面白いとは思っても、それを鵜呑みにするほど、僕は人が良くはないので、どんな都合でどう話が盛られたのかって検討はつけていたりします


 しかしですね

 物事、やっぱりそう簡単ではないというか、その地にお参りに来ている人の厳かで凛とした佇まい、ビル群の中で圧倒的な静寂と威厳をずっと保ち続ける異世界の入り口のような首塚


 文献を調べて得た結論など、ぶっ飛ばしてしまうような存在感は、量子力学的なアプローチをするべき案件なのかもしれないと、僕の執筆意欲を刺激するのであります


 程よい疲労感に美味しい餃子と梅干酎ハイ


 そして隣の席から聞こえてくる『神田明神のご利益ってすごいのよ』という偶然すらも、思えば、ずっとずっと前――僕が2014年に書いた『君の名は』という短編を書いたとき、或いはそれを書くきっかけになったあるイラスト――スズメと和装の青年が木の上で語り合う構図を観たときに、決まっていたのかもしれないですね


 それではまた次回

 虚実交えて問わず語り

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