旅の行方
第118話 戯言
会いたい人に会いに行くことは、何においても優先すべきことなのだと、僕は思うのです
それはもしかしたら一生のうちに一度しかいけないような場所に住んでいる人かも知れない
それはもしかしたら玄関を開けて5分も歩けば会える人なのかもしれない
大事なとことは、そのとき、あなたが会いたいと思うことなのです
会いたいと思った人と会うことなのです
そこには意味があります
そこには偶然があります
そこには思いがあります
そこには気づきがあります
そして同時にそれは
悲しいほどに無意味で、当たり前のように必然で、思い過ごしで、取るに足らないことなのです
つまり特別であって、他愛もない”出来事”なんです
だからあなたは何も迷うことなく、ともすれば玄関に鍵をかけることもなく、会いに行けばいいのです
会いに行けばよかったのです
時はうつろい、人の心もまた流転します
人は変わらない、あなたがあなた以外の誰かになる必要はない
人は変われる、あなたは自分が思うあなたになることができる
そうするためにも、あなたは会いに行かなければならない
会って、話して、酒を酌み交わし、空腹を満たし、偽ることなく、ありのままの自分を鏡の前にさらせばいいのです
そう、あなたが会いたいと思ってあったその人は、今のあなたを映し出す鏡なのです
そこには真実が映し出されます
そこには虚構が写りこみます
あなたはそれを見るでしょう
そして目を背けるのでしょう
触れてみて、確かめてみて、疑ってみて、信じてみるでしょう
そう、あなたは何かを試みる
鏡に映るそれが、いったい何なのかを知るために
求めて得られず
されば与えて求めず
何事も為せば成る
為さねば成らぬのであれば、座して待つことに何の意味があるのか
悠久のときの中ならいざ知らず、時計の針がひとつ進むたびに、あなたは確実に、着実に近づいているのだから
死というものに
どうせ逃れるすべなどないのだから、あなたは想いを成し遂げるべく、するべきことをすればいい
よく生きるのであれば、死を受け入れてなお、問うべきなのです
会いたい人はどこにいるのか
会いたい人はいつ現れるのか
会いたい人は誰なのかを
僕は会っていますよ
これを読んでくれたあなたに・・・
なーんちって
では、また次回
虚実交えて問わず語り
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