第97話 中田英寿が在籍していたクラブチーム
日本人だからもちろん日本代表の活躍はうれしいし、Jリーグで言えば僕は浦和レッズをずっと見てきた
一時はスタジアムに足を運んでいたのだけれど、最近はご無沙汰です
世界のサッカーで最初に好きになったのはブラジルなのかドイツなのか、まぁそのあたりだとしても、1994年のアメリカ大会で見たイタリアとロベルト・バッジオのドラマ――ワールドカップ史上初めての決勝がPK決着になった試合で、最後のキッカーとして登場したものの、ボールの軌道はクロスバーのはるか上を通過し、彼の2度目のワールドカップは終わりました
その時から僕はアズーリ(=イタリア代表のチームカラーの青を表す)のファンになり、セリエAの名門ユベントスを好きになるも、その年のうちに僕の嫌いなACミランに移籍してしまうのです
”嫌いなチーム”と言いましたが、それはあまりにも強すぎるACミランを知っていたからです
最近では日本代表の本田選手が所属していたことで多少知っている人はいるでしょうか?
後にイタリア首相を務めるベルルスコーニ氏が1986年にクラブを買収して会長に就任すると多額の移籍金で監督、選手を補強します
監督は後にW杯アメリカ大会で指揮を執るサッキ監督、選手はトータルフットボールを体現するオランダのルート・フリット、マルコ・ファン・バステンを獲得してわずか1年で2敗という成績でスクデット(優勝)を取る
日本で言えばいきなり巨人軍です
ベルルスコーニ会長はメディア王ですからね
アンチな僕が好きになれるはずはありません
だからそのACミランとスクデットを争うユベントスが好きだったのにこともあろうにそこに移籍するなんて!
しかしユベントスにはアレッサンドロ・デル・ピエロという若手が活躍を始め、クラブは年俸が高騰しているバッジオをインテルに移籍させようとしていました
だからバッジオはそれに逆らって、あえてそのライバルチームであるインテルへの移籍を自らすすめたと言われています
そう、こんな話もだんだん面白くなってどんどんサッカーに夢中になっていくのです
ユベントスへの興味を失い、ミラニスタ(ACミランのサポーター)にもなれない僕は、自分が愛すべき横浜ベイスターズを見つけるのです
それがパルマです
クラブ創設以来長きにわたって下部リーグに甘んじてきたパルマをセリエAに昇格させた名将ネヴィオ・スカラ監督のもと、優勝争いに絡むまでになった『ミラクル・パルマ』は、とても魅力的なチームでした
セリエAにせよ、リーガにせよ、ブンデスにせよ、プレミアにせよリーグのトップチームと言うのはだいたい4チームぐらいの強豪、そこから6チームくらいの上位を脅かすチーム、6チームくらいの中堅、そして4チームくらいの昇格したばかりのチームと降格争いを常にするようなグループに分かれています
リーグ優勝、カップ戦、ヨーロッパチャンピオンズリーグ(現在のUEFAチャンピオンズリーグ)カップウイナーズカップ(現在のUEFAカップに統合)を争うのはトップ6くらいまでで、他のチームは選手を育てて上位チームに高い移籍金を手に入れクラブ強化の資金に充当した入りするのですが、パルマは実にいい選手を集めていました
スカウティングが素晴らしく、何よりも個性的な攻撃的選手と玄人好みな中盤、そして堅守を誇る守備陣、ゴールに鍵をかける守護神がいまいた
イタリア代表で言えば、長く代表を務めたイタリアの守護神ブッフォン、 鉄壁のファビオ・カンナヴァーロ、もう一人のバッジョことディノ・バッジョ、サルディーニャの魔法使いジャンフランコ・ゾラ
海外組ではフランス代表テュラム、アルゼンチン代表アルメイダ、ベーロン、クレスポ、コロンビア代表アスプリージャ、そして日本のガンバ大阪で活躍したカメルーン代表エムボマ、日本代表中田英寿、日韓ワールドカップで対戦したトルコ代表ハカン・シュクル
名前を見ただけでわくわくがとまりません
が、そんなパルマも紆余曲折、のちに経営破たんの危機に陥り、有能な選手たちを次々と売却し、それでも資金繰りは安定せずに・・・
ああ、サッカーって面白い
一度自分の好きな海外のリーグやクラブチームに出会ってしまうと、もう止まりません
では、また次回
虚実交えて問わず語り
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