サッカーの神様と勝利の女神と
第92話 皇帝ベッケンバウアーのポスター
ベッケンバウアーのポスター・・・たしかフジフィルムだったか
僕の部屋には当時好きだった洋楽のアーチストのポスターが所狭しと貼ってあったが、その中になぜかサッカー選手のポスターが貼ってあった
”おお、ベッケンバウアーじゃん”
高校の先輩が・・・といっても僕が放送部に入部したときにはすでにOBだったのだが、なんのいきさつか僕の家に遊びに来たときに、そのポスターのことを指摘されて驚いた
そういえばそうだったけ
子供の頃、テレビ東京系で放送していた『三菱ダイヤモンド・サッカー』を夢中で見ていたのが、今となっては不思議と言えば不思議
おそらくその頃に親がカメラ屋さんでもらってきたベッケンバウアーのポスター
昔住んでいたアパートにはポスターを貼るようなスペースがなかったので、大事にとっておいたのでしょう
マンションに引っ越して、そのポスターが部屋の柱の部分にちょうどいい大きさだったので、正直それが誰だかわからないまま中学生の僕は貼ったのだと思います
”子供の頃好きだったんですよねぇ、サッカー”
僕が子供の頃、サッカーというのはまぁ、マイナースポーツでした
ボールを蹴って遊んだ記憶はほとんどなく、体育の授業や球技大会でやる程度で、しかも僕はボールを蹴るのが下手くそだったのでゴールキーパーでした
だけど子供の頃にキーパーの動きというものをテレビで見ていた僕は、シュートを打たれる前に前に出てシュートコースを塞ぐ言うことができたんで、わりと重宝されたものです
”ああ、自分はサッカーが好きだったんだ”
先輩の何気ない一言で、眠っていた僕のサッカーへの気持ちが呼び起されました
大学に入るとどういうわけだかサッカーが流行ります
草サッカーチームを作ってちょこちょこ遊んでいました
そして迎えた1990年のワールドカップイタリア大会
当時衛星放送が観れる友達のアパートに集まって毎晩のようにサッカー観戦をしたものです
僕の注目は西ドイツのゴールキーパー シューマッハだったのですが・・・なんと彼は暴露本スキャンダルでドイツサッカー協会から追放されるというとんでもない事態に!
代わりに出場したボド・イルクナーのプレイは素晴らしく世界には本当にすごい奴がゴロゴロといるものだと勝手に思っていました
そんなわけで、僕がリアルタイムでサッカーワールドカップを見たのはイタリア大会であり、徹底的に削られるマラドーナの姿や、若き日のロベルト・バッジオの姿に胸をときめかせたものです
「サッカーを愛する皆さん、ご機嫌いかがでしょうか?」
トニーニョ・セレーゾ、ファルカン、ソクラテス、ジーコの黄金のカルテットや皇帝ベッケンバウアー、神の手マラドーナと伝説の5人抜き、爆撃機ゲルト・ミュラー、将軍ミシェル・プラティニ、フライングダッチマン ヨハン・クライフとトータルフットボール
友達と共有できなかったサッカーの話を大学に通うようになってようやくできたのは、本当に恵まれたのだと思うとともに
サッカーが来ている!
という時代の流れも、感じていた二十歳の頃のお話でした
では、また次回
虚実交えて問わず語り
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