第54話 シンクロニシティなミューズ

 シンクロニシティ(*1)という言葉を、僕は好んで使います

 心理学の三大巨匠と言われるフロイト・ユング・アドラーの中で僕はユングに惹かれます

 彼は心理学にオカルト的な要素も取り入れるべきだという立場をとっています


 ベンジャミンと僕はどこかでシンクロしてるんです

 僕が話をしたいと思うと、向こうから連絡が来るということが、よくあります

 というか、ほぼ10割の打率です


 おかしいです

 何かの間違いです


 ふむ、しかし僕はそういう非論理的なことを否定はしないし、信用もしない

 でも信頼はするし、肯定もしない


 世の中、不思議なことなど何もないけど、あってもいいのです


 しかし大事な人をベンジャミンと呼ぶのはどうにも抵抗があるのでミューズとしましょう


 彼女は僕の知的好奇心を刺激します

 

 でもそれだけで彼女のことを”大事な人”と言っているのではないです


 大事なことは刺激をするタイミング

 そういうことは容易にコントロールできることではないと僕は思っています


 欲しいと思っているときに、そのヒントになることが彼女によって与えられることが重要であり、稀有であり、だからこそのミューズであり大事な人なのです


 適時とは果たして偶然であろうか

 そこに注目したのがユングであり、集合的無意識によって人々は交流していて、そこには意味のある偶然が発生する要因があると考えたようです


 これをオカルトに寄せていけばスピリチュアルな魂の繋がりとなるのでしょうし、物理学に寄せていけば量子力学ということになる


 僕はそういう重なり合ったものが大好きなんだな

 シンクロシティは学問でも在り、オカルトでも在る


 彼女と僕はここまでまるで接点のない人生を同じ時間軸の中で過ごし、数回の偶然(たぶん2回)を経て、彼女が僕の存在に気づき、僕が彼女の存在を気づいた


 あとはお互いの考え方や知識や認識や素行や趣向を確認しあい、チャンネルがいくつも繋がる

 チャンネルがいっぱい繋がっているから、シンクロニシティも高確率で発生しやすい――つまり不思議なことなど、なにもないのです

 

 でも、それを不思議だと思い、それを大事にしないといけない


 そしてもうひとつのシンクロニシティ

 ドロンジョ様と連絡を取り合っているときに高確率でミューズからも連絡が来る


 なんででしょうね

 やはり集合的無意識の中で交流をしているとしか、僕には思えないのです


 では、また次回

 虚実交えて問わず語り


注釈*1

シンクロニシティ(英語:synchronicity)とは、ユングが提唱した概念で「意味のある偶然の一致」を指し、日本語では「共時性」「同時性」「同時発生」と訳される。例えば、虫の知らせのようなもので因果関係がない2つの事象が、類似性と近接性を持つこと。ユングはこれを「非因果的連関の原理」と呼んだ(wiki)

 

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