第49話 警戒されないブルース

 執筆する時間が取れないというのは、なかなかにストレスになるものです


 いや、これまでは「毎日書く」という習慣はなかったんですけどね


 書ける時、書きたい時に書く、ただしルールの範囲において・・・みたいな感じだったのですが、ふー、ではでは、今日も参りましょうか


 団地妻ギタリストと知り合ったのはバンドを結成するよりも随分と前でした


 僕の住んでいる街は、その昔、キャバクラがたくさんあることでそういう専門情報誌に”エリア”として紹介されていたぐらいですから、栄枯盛衰はありますが、まぁ、眠らない街です


 僕が入り浸っていたカラオケバー 3時間ウヰスキー&焼酎飲み放題、歌い放題で2000円という営業スタイルは、そりゃあもう、面白い奴から、面倒な奴、変わった奴から、時にきれいどころや、いい男が現れたりして、退屈しない店でした


 もう、無くなっちゃんたんですけどね


 団地妻とは、団地妻だと知らずに、ただの酒飲み、歌好き、騒ぐのが好きな『愉快なお姉さん』だったわけです


 嵐のようにやってきて、嵐のように去っていく


 僕も調子に乗って彼女たちとインスタ映えしない変顔画像をアップして楽しく飲んでいました


 昭和歌謡からアニソン、デュエット、洋楽


 カラオケが安く歌えると言うだけではなく、そこに集まる人がまぁ、面白かったわけですね


 まさか一緒にバンドを組むことになるとは、まったく思っていませんでしたが、それからはふたりでスタジオに入って練習したり、その後食事をしたり、飲みに行ったりする中で、お互いの年頃の子供がいて、やれ教育費が掛かるやら、子育ての苦労話、それぞれの旦那やカミさんの話、バンドのメンバーの話をするのです


 嗚呼、これってあれだわ、高校生くらいのときに、喫茶店やファストフードで友達同士でつまらないことを語り合っていた、あれだわ と思うのです


 思えば、大人になってから、そういうことをあまりしてこなかった


「わたし、ジュリーが好きなのー!」

 あった、あった、このシチュエーション

 仲がよかった女子から恋愛の相談をうけるようなやつ

「めけめけさんは、いい人だから、相談に乗ってくれるとうれしい」

 友達以上恋人未満とは、また違うやつですね


 男として警戒されていないというのは、もはや慣れてしまっているので、どうということはないのですが、何かの加減にちょっと意地悪くらいはしてやりたい気分になります


 まあ、中年がすねてみたところで、可愛くも、おかしくもないのですがね

 ただ、虚しいだけです


 では、また次回

 虚実交えて問わず語り

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