第50話 衣装が破れ、そして振出しに戻る
バンドを結成して最初のライブが終わると、燃え尽き症候群なる雰囲気が漂います
ミニライブを二回ほど開催したものの、もともとバンドとしての目標を持っていないので、楽しくやれそうな場に出くわすまでは、もっぱら飲んで歌って騒いでを繰り返すことになります
結成から一年、練習もままならず、ソロユニットを交えての混成プログラムでなんとかその場をしのぎつつ、新たなメンバーを加えてパワーアップをすることに
新たに女性ヴォーカルとキーボードが参加
ベースの若旦那は、また何かをこじらせたらしく、なかなか練習に参加できないということで、団地妻ギタリストがベーシストに転職することになります
するとどうでしょう
なんかいい感じにまとまりはじめます
結成から三年目のクリスマスライブ&新年ライブに向けて準備にかかります
新メンバー”ファンキーマム”は、迫力あるバディをくねらせながらシガレットヴォイスでファンーに歌い上げます
彼女はいつも楽しげで、よく人に気を使いますが、人を笑わせる天才です
飲みの席で、彼女から紡ぎだされる”エロおかしい”ネタは、僕らのいる席にとどまらず、まわりを巻き込んで馬鹿騒ぎが拡大します
さらにすごいのは”ファンキーマム”と”ニューハーフディーバ”のツープラトン攻撃は、タイガー・ジェット・シンと上田馬之助の凶悪タッグかダンプ松本とブル中野の極悪同盟かというくらいの破壊力で、会場を爆笑の渦に飲み込みます
もちろん、すべて反則技
さて、それだけでもすごいことになっているのに、ここにスーパーピアニストが加わることになります
団地妻ベーシストはスーパーピアニストに敬意を表し、ステージ衣装をプレゼントします
もう、愛が深い、誰に対してもいっぱいの愛を送る団地妻
彼女は、今回自分の衣装として”童貞殺し御用達のセクシーセーター”を用意していたので、極悪コンビに対抗してスーパーピアニストと悩殺コンビを組もうとセクシーすぎる衣装をプレゼントしたのですが・・・
やめれぃ! ドラムの位置からはいろいろ観えてしまうぞ
僕の鼻から生暖かい赤い液体が流れ出すではないか
あまりにもセクシーだったため”いろんな筋”から”いかがなものか”と懸念する声が上がり、ためにしその衣装の上にもう一枚ドレスを合わせると”なんとか行けそう”ということで、実際に別のステージで試しに着用してみたそうなのですが・・・
ワーオ(っていうセクシー効果音)
どこがどうなったのかは知りませんが、演奏中にセクシー衣装が”ただのセクシー”になったとか、ならなかったとか・・・もしも一枚上に着ていなかったら、本当に大変なことになっていたそうです
それを見たくないと言っては嘘になりますが、他の誰かに見せたくないというのも本音でございまして
あー、あったな
こういうの
タイムボカンシリーズ
泥棒三人組の女ボスのセクシーな姿は見たいけれど、隣で親が見ているので、気恥ずかしさがあるみたいな・・・とは似て非なるものではございますが、そんなわけで、スーパーピアニストは”ドロンジョ様”としておきましょう
さぁ、50話にして、一番最初に戻りました
ここからがフィフティーズぶる~すの本編・・・50だけに
ドロンジョ様は、第1話登場の”鉄板の向こう側の人”です
1話から3話を飛ばして読んでない人!
振り出しに戻ってね!
では、また次回
虚実交えて問わず語り
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