第38話 ひとり上手なロンリネス

 僕はラジオっ子だったんですね

 今でこそ音楽を聞くのはyoutubeってことになっておりますが、僕の少年時代から学生時代にかけては、ラジオがとても人気があったのです


 エアチェック(air check)なんて言葉は知らないと思いますが、ラジオが放送した楽曲をカセットテープに録音するんですね


 今でも、youtubeに当時のスタジオライブやコンサートの模様をラジオで放送した録音テープが上がっていたりしますよね


 ラジオ世代からすると”ひとり上手”といえば、中島みゆきのオールナイトニッポンの人気コーナーと・・・なるのかな?


 僕はそう信じている


 普段テレビに出演しないアーチストがラジオのDJをやっていて、ワンウェイだけどハガキをコーナーに送って読まれるとすごくうれしいのよね


 ハガキ職人なんて言葉があったりして・・・そういうところから後に放送作家になった人もいるくらい


 映像がなくて耳だけで音楽や人の話を聞くっていう行為が、今となってはとても珍しくなっているのかな?

 ちょっと残念な気がする


 あの頃は誰もが”ひとり上手”だった・・・なんてことはないのかもしれないけれど、ラジオって、DJとリスナーという関係だけじゃなくて、こんな遅い時間に、自分と同じように、勉強をしながら、アルバイトをしながら、高速を移動しながら聞いている人がいるんだなぁとかね


 ”孤独を持ち寄る場”とでも言うのでしょうか?


 たとえばアニメブームも最初はラジオから火がついたと言われています

 アニメが好きだなんて、学校で言うと馬鹿にされたものです

 でも、ラジオには『ガンダムっておもしろいよね』『イデオンやばいよ!』って奴が他にもいるんだって・・・それでイベントやっちゃったりしてね


 ラジオでアニメが盛り上がるって、今では想像できないかな?


 孤独を持ち寄ると孤独じゃなくなるなんてことはないのよ

 孤独を確認して、お互いの孤独を認め合って、孤独は辛い事でも悲しい事でもないってことを認識するだけなのね


 孤独は孤独


 ひとりが好きなわけじゃないの

 ぼくもひとりだよとだましてね

 ひとり上手と呼ばないで


 こんな歌詞なのに、ひとり上手な自分を投降してもらってげらげら笑うコーナーにしちゃうのよ


 孤独ってたくましいよね


 ではまた次回

 虚実交えて問わず語り

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