第39話 No More Lonely Night

 人は元来孤独であるのなら、人は孤独を癒すために生きているのだろうか?


 夜、どうしようもなく人恋しくなってしまうのは、なぜなのだろうか?


 そういうことを、たまにはじっくり考えてみることもいいのではないでしょうか


 思考を巡らすことで、世界を俯瞰で眺めることができる

 そういう体験をしたこと、ありませんか?


 中学生のときだったかな

 腐れ縁の仲間と夜中に家を抜け出して、よく遊びに出かけたものです

 別に何か悪さをしようってわけではないんです


 友達の家に窓から上り込んで、明け方まで深夜ラジオを聞きながら、漫画を読んり、雑誌のグラビアに興奮したり、宇宙人は本当にいるのかとか、UFOを見たことがあるとか、金縛りにあったとか、クラスの誰が可愛いとか、誰がむかつくとか、どの先生は信用できるとか、ロックは死んだとか、愛は地球を救うとか救わないとか


 そんなことを語り合ったものです


 そしてこんな実験もしました

 意識を自分自身に集中して、そこから自分のいる部屋、建物、自分が住んでいる地区、地域、街、日本、アジア、世界、地球、太陽系、銀河系、大宇宙と意識を広げていくと、飛べるんですよ


 うわー、この人、変とか思わないでね


 でも今の時代の方がイメージしやすいんじゃないかな?

 グーグルマップで一つのポイントからずっと地図を引いていくって、あれね

 それと同じことを頭の中で映像や音声や匂いといった五感を想像して作り上げていく作業をやると、浮遊するような感覚を得られるんだよね


 それでわかることがある


 みんな孤独なんだって

 誰もがみんな、ひとりなんだってわかる

 その一人が家族や地域や国や星っていう単位で集団の一個になっているってわかる


 僕のようにベッドから世界を覗き見ている奴もいれば、同じラジオを聞きながら受験勉強をしているやつもいる

 彼女とイチャイチャしている奴もいれば、喧嘩をしている奴もいる

 一人寂しく泣いている奴もいれば、仲間と馬鹿をやって笑っている奴もいる


 今、この時間、この時に、みんなそれぞれに生きているっていうことがわかる


 どうか一度でいいから試してみて下さい

 あなたがどんな世界を観るのか

 そしてきっと気づくはず


 ”孤独であるあなたは、ひとりではない”ということが


 ではまた次回

 虚実交えて問わず語り

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