第34話 時代と寝た女と青春の幻影と

 とかく世代やらジェネレーションギャップと言った議論は男性目線で語られることが多い

 子供の頃から親しんだ特撮ヒーローやアニメや漫画、スクリーン一杯に繰り広げられる大作映画に銀幕のスター、ラジオから流れる最高のロックンロール


 うーん、どうにも想像が付かない

 たとえば御三家や新御三家、少女漫画に宝塚ジェンヌ、魔法少女に月の戦士、カープ女子にジャニーズ女子


 僕の中にはそれほど具体的なデータはないのだけれど、女の子の世代感というのは、そういうことじゃないような……


 ユーミンや中島みゆき、おニャン子クラブ よりもモーニング娘。いや、オールナイターズかな。あとはクラッシュ・ギャルズやスピード、安室奈美恵に松田聖子


 憧れる女性像や女性の生き方、ファッションを世代で共有するのではなく、カテゴリーというかクラスというか、グループというか……


 共感の共犯


 わたし、もう一つスイーツ食べたいから、あなたも一緒に食べてよ


 ちょっと過激なことを言うと 愛人、不倫、援助交際と言った機微な話題についても、男性が”成り行きの強要”なのに対して女性は”共感の共犯”なのではないかと考えています


 ユーミン的な”フャッショナブルでインテリジェンスを含んだ華やかさ”は時代のニーズを意識した世代感というよりは、時代を共感するアイテムとしての役割を担っていたのではないか――時代の絵の具の使い手ではないか

 逆に中島みゆきは”女の普遍”をスケッチし、圧倒的な細かいディティールをシャープに描くペンシルの使い手ではないのか


 子供の頃にとても気になっていたものがあって、それは”超音波美顔機”


 あれに時代を感じるのは男性的ガジェットノスタルジーであって、女性にとってはノスタルジーではなく、今もなお続く美への追求――普遍的欲求であって、時代や世代というよりも、10代、20代、30代、40代の絶対的年齢的な”年代”という感覚、カテゴリー、共感、共犯という”感性”なのではないだろうか


 うーん


 僕は男性なので分析方法は男性的アプローチによるしかないのですが、おそらく、女性からするともっとシンプルな”結論”になるのではないか


 その言葉が見つからない


”時代と寝た女”という言葉があります

 多くの女性をフレームにおさめてきた篠山紀信の言葉ですが、たぶん男性的な表現ではここが限界点なのかなぁと思います


 ”時代をまたぐオンナ”

 ”時をかける少女”

 ”私はあなたの少年の日にいた青春の幻影”


 いろんな言葉がありますが、中島みゆきあたりに言わせれば


 ”時代はまわる”


 ただ、それだけなのかもしれませんね


 ではまた次回

 虚実交えて問わず語り

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