第9話 悪友と卓を囲む企み
麻雀を覚えたのは中学1年のときだった
ちなみに花札やブラックジャック、ポーカーなどは小学生のころからやっていたし、麻雀もポンジャンやドンジャラをやっていたのでルール覚えるのはそれほど難しくはなかった
とかく中学生とは背伸びをしたがる
悪友と徹夜で麻雀を本で勉強し、点数の数え方を覚えた(*1)
まず自分たちが覚えて、あと二人巻き込めば卓が立つ
あとは、それができる場所だ
面白いことをやろうとしたとき、人は集まる
否、面白い奴に面白い奴が更に引き寄せられ野だと思う
家族ぐるみで麻雀や競馬や囲碁将棋、花札が好きな友達を見つけると、もう毎日のようにそこに入り浸り、徹夜で卓を囲む
高校に行くと、さらにエスカレートし雀荘に入り浸るようになる
大学に入ると、雀荘でアルバイトをするようになる
昼と夜が入れ替わり、これはまずいと足を洗うも、今度は部室で卓を囲み、1人暮らしをしている友達のアパートに入り浸るようになる
社会人になってもそれは変わらない
ITになってもネットに繋いで麻雀ができる
そしてとうとう取引先の社長と意気投合し、麻雀のゲームを作ってしまう
それもこれも随分と昔のことではあるけれど、思えば子供が大人の真似事祖したくて始めた遊びのお陰で、随分といろんな人と巡り合えたものである
もちろんそれが麻雀ではなく、たとえばテレビゲームでもいいし、カードゲームでもいい。人が集まってワイワイできる場所があるということと、そこに自分がいるということが、とても大事なのである
とかくコミュニケーションについて、うまくいくとかいかないとか、選ぶとか選ばれないとか、不足しているとか偏っているとか申しますが、楽しいところには人が集まるし、楽しいと思えることが増えれば、そういう場所も増える
あと一歩前に出て、そういう場所を作ったり、探したり、移したり、広げたりすることで、マイナスの感情を持て余す暇などないだろうにと考えてしまうことは、あまり理解されない特別なことなのだろうかと、疑問に思うのであります
そこの牌がある
囲って
混ぜて
積んで
分けて
並べて
振って
積って
哭いて
待って
あがる
そういうことを四人が共有し、それをまた交代要員が
「あそこでイーピン(*2)打ちはねーよ」
とか
「ドラ(*3)にこだわり過ぎだよ」
とか
「なんであそこでリーチ(*4)いかなかったの」
とか
「フリテン(*5)を引き返すとか強すぎる」
みたいなことをわーわーやっている内に腹が減って「出前でも取るか」なんてことになったり、「正月の餅が余っているからおしるこにして食うか」ってことになったりするわけで
嗚呼、麻雀したい
ではまた次回
虚実交えて問わず語り
注*1
麻雀の点数計算は、符計算(上がり方、持っている牌の型など)に役を掛けて算出します。実は結構複雑な計算がなされています
注*2
麻雀は萬子(マンズ/ワンズ)・筒子(ピンズ)・索子(ソウズ)・字牌(ツーパイ)の136枚を使用。字牌以外は1~9を表す牌があり、イーピンはピンズの1
注*3
ドラはボーナスの役割をする牌で、これを一枚持っていると役がつき、つまりは点数が倍になる超お得な牌
注*4
リーチ(立直)とは、麻雀の役の一つで、「これ以上手を変えない、私は上がれる状態です」と他にプレイヤーに宣言することで点数を倍にできる。
ルールによっては裏ドラが増えるので大量得点に繋がる反面、相手に警戒されるし、明らかな敵のあたり牌を掴んでもノータイムで放銃(場に牌を捨てること)しなければならないリスクがある
注*5
フリテン(振聴)とは、自分が一度場に捨てた牌が、結果的に必要な牌となること
そしてフリテンの牌が最終上がり牌になる場合は、ロン(他のプレイーが捨てた牌で上がること)ができないし、気づかないでそれをやると大きな罰則を支払なわなければならない
またリーチ後に誰かが捨てたあたり杯を見逃したり、自分が牌を捨てて、次の自分が牌を引くまでの間、次のプレイヤーが当たり杯を捨てたのを気づかずに、その次のプレイヤーが捨てた当たり杯にロンの宣言をした場合もフリテンとなり、高い罰則店(バップ)を支払うことになる
それが親だと倍なので、更に泣ける
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