第8話 少年と秘密基地
僕の敬愛する作家、スティーブン・キング著、『恐怖の四季』に収録されている『The Body』という中編をご存じだろうか?
これは日本でもヒットした『スタンド・バイ・ミー』 の原作である
ネタバレというかもうタイトルがそうなので言ってしまえば、少年たちが The Body=死体を探しに小旅行というか探検をする物語である
少年4人は、実にありがちな構成で、ちょっと大人びて腕っ節の立つリーダー役、食いしん坊で憎めないデブ役、悪ふざけが過ぎるトリッキーメガネ役、感受性が豊かで独創的な主人公
みんなそれぞれに『家庭の事情』ってやつを抱えているが、不良グループやその予備軍、取り巻きではなく、なんとなく気が合う仲間
彼らは大きな木の上に小屋を作り、秘密基地にしていつもそこで『ちょっと悪いこと』をして遊ぶ
煙草を吸ったり
トランプで賭け事をしたり
エッチな雑誌を読んだり
男の子と言うのはそういう秘密基地的なたまり場を作りたがる――古今東西かわらない風景なのかもしれない
中二病をこじらせた大人もしかり
いくつになってもブルース・リーのフィギアやダース・ベイダーのマスク、本棚には『アキラ』全巻を並べて、酒を飲みながらそういう物を愛でることができる場所を作りたがり、人を呼びだがる
僕じゃないですよ……やりたいけど
僕はそういう場所に行って、さながら友達の部屋でエロ本やエロビデオを物色するかのように
「うわー! 懐かしい、しかもサイン入り!」
とか
「あっ、これって初版ですか! すごい!」
とか
「えー! あのイベントに行かれたんですか!」
とか、大騒ぎになるのです
この歳になっても頭の上がらないパイセンはいるもので、そういう人と過ごす時間は、ちょっとしたタイムマシーンに乗った気分になれます
秘密基地とは、そういう物なのかもしれませんね
さて、僕はと言えば、部屋のとある場所にエロいものなど、わざと隠して置いてあります。いい加減捨ててしまえばいいのですが、最近エロい動画をyoutubeあたりで見ている息子が、いつかそれを見つけることがあるのかなと
娘や息子がどんなサイトをみて、どんな電子決済をしているのか履歴を見るのは親の仕事です
決して覗きが趣味なわけではありません
ちなみに我が家は息子の友達のたまり場になっています
楽器がいっぱい置いてあったり、ブラウン管のテレビやレーザーディスクプレイヤー、ファミコン、スーファミ、64、ゲームキューブ、型のオチのパソコンが4台
実は我が家はいつの間にか息子たちの秘密基地になっていたりするんですよね
彼らも今春には高校生(になれるはず)
もう秘密基地は、必要なくなって、別の”たまり場”を見つけることでしょう
ではまた次回
虚実交えて問わず語り
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