第22話 オイルサーディンの回鍋肉

 らんららららんらんらん♪

  らんらんらららん♪

 らんららららんらんらん♪

  らららららららん♪


 春だ。(脳内再生だ) 恋の季節だ。

 人間なんて突き詰めれば、LOVE&PASSION(ラブあんどパッション)

 最後の最後は欲望さえも剥がれ落ちる。愛も恋も翻訳すればすべてが、

 


             LOVE なのさっ!



 説明しよう。考えてもみてくれ。

 気づいてないかもしれないが計画は着々と進行している。

 手をつないだ。ふたりっきりで旅行もした。愛妻弁当も作ってもらった。

 そしてなによりアルコール度数14パーセントのキスもした。(16話参照 )

 フローチャートどおりにプロセスは流れている。



 ネタに困ったからエロネタに逃げようというのではない。

 人が最後に求めるもの。真剣に考えれば答えは見つかるはずさ。

 美味しいものを食べたいとの欲求がオーバーフローしたとき、人間は相手を食べてしまいたくなる。つまり人の欲求の最上位互換、それが恋愛なのである。



 次は? 次のステップは? そうだっ! 合体だ!


 別に日本一有名な釣り映画をパクっているわけではない。

 蔑まれたってかまわない。最後のとき、真実を求めればそこにたどり着く。

 だからこそ俺は悪の秘密結社に戦いを挑んだのだっ!




 

 ========チョキン========

 




 シヴァー男爵

『ぶぅわっはあっははは。正義のヒーローが聞いて呆れる。よくもこんな未熟者が、我に戦いを挑んだものだ』


 俺

『ぐっ! ちっくしょう』


 

 シヴァー男爵の足元がぜた。地面のふくらみは一直線に俺に向かってくる。それは無数のモグラたちだった。地面に這いつくばる俺の体にモグラたちがぴょこぴょこ顔を出す動きが容赦なく襲い掛かる。地味に痛いっ!


 シヴァー男爵

『悔しかろう。叩きたいのに叩けない。今のお前にはピコピコハンマーを持ち上げる力すら残ってはおるまい』


 そのとき、


ごごごごごごごぉぉぉぉ 轟音でモグラたちが怯えだす。


 俺

『来てくれたのか! メカ多恵ちゃん!』




 ≪・シンクロ率クリア・初夜モードオープン・格納スタート・≫


 メカ多恵ちゃんは機械音をはっし、グリーンライトで俺を空中に引き上げる。





              合体っ!!!!





 シヴァー男爵

『今どきメカって……図体がでかいだけのロボットごとき屁でもないわっ!』


 俺

『ふふふ、そうかな?』

 俺はメカ多恵ちゃんの内部で四つん這いの恥ずかしい恰好のまま不敵に笑う。


 

 オイルゥゥゥサーァァァディィィィィィィィィン!!!!!



 説明しよう。メカ多恵ちゃんの動力源は油なのだ。上質なオイルサーディン缶の油を注入されるとメカ多恵ちゃんは、スーパーロボ多恵ちゃんに2形態変するのだ。



 スーパーロボ多恵ちゃん

『オラオラオラオラオラ無駄無駄無駄無駄無駄あたたたたたたたたたぁ!』



 シヴァー男爵

『ふんぎゃぁああああああああああああああああああああ』




 こうして地球の平和は守られ、どさくさにまぎれ二人は合体したのであった。







 ※ レシピ


 日本の回鍋肉ホイコーローの基本は豚肉とキャベツですが、なにも豚に拘る必要はありません。キャベツをこのうえなく美味しく食べるための料理と考えれば、バリエーション豊かに楽しくオリジナルに挑戦してみましょう。

 回鍋とは一度調理した食材を再び鍋に戻し調理することですが今回はやりません。




 中華鍋でサラダ油を熱し、四つ切にしたニンニクを炒める。


 香りが出てきたら、キャベツを芯の部分から順番に入れる。


 キャベツに油がなじんだら、合わせ調味料を半量投入し、炒め合わせます。


 オイルサーディンを投入し残りの合わせ調味料を加えあおりからめる。



 ※ 合わせ調味料


 八丁味噌

 豆板醤とうばんじゃん

 甜麺醤てんめんじゃん

 オイスターソース

 砂糖

 しょうゆ

 酒

 片栗粉

 粗びき黒こしょう



【今日のポイント】

 いわし肉はあくまでキャベツを美味しくいただくための付け合わせです。

 それに合わせて、八丁味噌と粗びき黒こしょうを使用しました。




※ 実食


ご飯がすすむねぇ。

キャベツを大量に食べれば体にもいいんだよ。

今回は特に、秀逸な戦闘シーン描写で使用したオイルの廃物利用としての料理。





そういった意味でも地球にやさしかったね、スーパーロボ多恵ちゃんっ!!





 







 


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