第3話

秋との衝撃的な出会いから二ヶ月が経った。

その間にも私の周りの環境はめざましく変わっている。


秋とともに行動しているからか友人とも呼べないクラスメイトと過ごすことはなくなり、今まで縛られていたしがらみなど泡沫の夢のように今はすっかりと消え失せている。


そして何より、だ。

小テストの結果。見る限りだと秋は毎回高得点を取っている。

実は秋は頭が良かったのだ。それも期末考査では毎回上位十人に入るほどだという。


そういえば二年生の学年末考査で、張り出されたトップ10位に秋の名前が載っていたのを見た。

それも私より一個上に。


「なんか腹たつ」

「勉強と運動はある程度できるからな!」

「文武両道め」


外はすっかり秋色で、私たちもそろそろ中学生から高校生へとランクアップする時期になってきた。


「そういえば秋はどこの高校に行くんだ?」

「東高校だぞ。彼方とおんなじだ」

「ちょっと待て!なんで私の進路を知っている!」

「先生に聞いた!中学で仲良くなれなくても高校じゃ仲良くなれるかもだったからな!」


秋は、先生にすごい好かれている。

目つきは悪いし冗談まじりの悪い噂が流れているが悪い子ではないことは話していれば誰だって分かる。

少なくとも私が友人になる前は一番秋と関わっているだろう先生に秋が好かれるのは自然だ。


「そんな感じで進路を決めていいのか」

「将来やりたいことなんて思いつかないし、それに……今は彼方と一緒が楽しいからいいんだよ」


らしい。

こう言われてしまえば否定しづらいし、少し嬉しくもあるから困ってしまう。


ずるい。

八重歯を剥き出しにして笑う秋の顔がなぜかまともに見れなくて、少し視線をずらした。


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