キース
ホストプラント
キ「……となると、そろそろアレを起動するべきか
だとしたら……」
キ「……」
フ「ふんふふ〜ん♪」
キ「ああ、ちょうどいいところにいた
ちょっといいかいフェゼくん」
フ「え、何ですか!? 俺、なんかやっちゃいましたか!?
あ、ケティの奴ですか! すいません!」
キ「いや、そういうことじゃないから落ち着いてよ
こっちがびっくりしちゃうから」
フ「あ、はい すいません」
キ「それでね、用事っていうのはイーリくんのことなんだけど」
フ「イーリが何か?」
キ「彼女の成長や素質について聞いておきたくてね
彼女の指導係の君なら、そのあたり知ってるかなと思ったんだけど」
フ「え、あー そういうことなら話しますけど
でもキースさん、あいつの編入試験見てたんじゃないですか?」
キ「もちろん、今の仕事をこなすのに十分な実力があるのは知ってるよ
ただ、のびしろや癖なんかは試験だけじゃ把握しきれない」
キ「こんな僕だけど一応、三班の指揮権を持ってるからね
緊急事態のとき誰を前線に送るかの判断材料にしたいんだ」
フ「ああ、そういうことですか 了解です」
フ「そうですね〜 もちろん強いんですけど、それだけじゃなくて
なんというか……器用ですねあいつは」
キ「器用、というのは?」
フ「キースさんも知ってると思いますけど
あいつの戦い方は軍人のそれとはかけ離れてて、ある意味野性的です」
フ「んで、好奇心旺盛だからいろんな戦術を自分の動きに取り入れようとする
拳銃やライフルから、果ては斧や爆弾まで練習しちゃうくらい」
キ「うん、なるほど 続けて」
フ「そのうえ、自分に合わないと感じた動きはすぐに諦めるんです
素直に話を聞いてるフリをして、実際は別の方法を試してたりする」
フ「型に嵌めるんじゃなく、自己流に組み込んで進化させていく
そういう意味で、すっごい器用なんじゃないかなって思ってます」
キ「ふむ、したたかそうで期待できそうだね
身体能力の方はどうだい? 疲労の溜まりやすさとか」
フ「そっちの方は俺の管轄じゃないんで明言はできないですけど……
ケティに聞く限りじゃ、まだまだ成長できるとは言ってました」
フ「あと、俊敏な動きに体の柔軟性が追いついてないって言ってました
だから今はストレッチを重点的にやっているとか」
キ「なるほどなるほど、あそこからさらに強くなるのか
それは楽しみだなあ」
キ「呼び止めてすまなかったね ありがとう
隊長にもいい報告ができそうだよ」
フ「あ、はい お仕事お疲れ様です、どうも」
(音・足音)
イ「あ、フェゼさん 休みですか?」
フ「うん、ついさっきまでキースさんと話してたけどね
イーリはすっごいなーって」
イ「え、なんですか気持ち悪い」
フ「褒めてるんだから喜べよ、この野郎」
フ「……それにしても妙だな」
イ「何がです?」
フ「なんでキースさんはイーリの情報だけを俺に聞いたんだ?
同期入隊のネイブには一切触れずに」
イ「?」
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