守りたいもの

ネ「おはよう、イーリ」

イ「おはよ、昨日は大丈夫だった?」

ネ「あぁごめん、朝から騒ぎを起こしたりして

  うるさかったよね、反省反省」

ネ「ケティさんとも仲直りしたし大丈夫だよ

  ぶん殴り返されたけど」

イ「いや、そっちじゃなくて……まあそっちもだけどさ

  昨日の夜、えらい大勢の人に囲まれてたじゃん」

ネ「あー、あれ? 騒ぎが建物中の噂になっちゃったみたいでさ

  あの極悪女によく立ち向かったって、慰められちゃって」

イ(あの人、今まで何してきたんだろう)

ネ「ま、どんな理由があったとしても

  いきなり人を殴った俺が悪いのに代わりはないしね」


ネ「……あのさ、イーリはこの街、好き?」

イ「え、どしたの突然」

ネ「思わずケティさんの前から逃げ出した後

  グロキアさんに呼び止められて、言われたんだよ」

ネ「お前が守りたいものはなんなんだ

  それがわからないままじゃ、いつか後悔するって」

イ「……それで?」

ネ「俺はさ、この街のことが好きだよ

  だから警備隊の仕事はとても大事だし、誇りに思ってる」

ネ「そして、それ以上にみんなのことが大事だと思ってる

  友達も家族も、ここのみんなも、イーリも」

ネ「だから、どんな辛いことがあっても

  俺はこの仕事を続けようと思う」

イ「そっか、ネイブらしいね」

ネ「あはは、そうかな

  つか俺、そんな風に思われてんのね」

イ「まーそうだね、私はここに来たばっかだし

  警備隊に入ったのも身勝手なわがままだけどさ」

イ「好きだよ、多分 この街」

イ「だから、協力するよ

  ネイブが守りたいもの、私も守りたい」

ネ「……ありがと」

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