鳥の巣1

イ「あ〜あ、お腹すいたなあ」

イ「せっかくの休日だからぐっすり眠ってたのに

  起きたらもう朝ご飯どころか昼ご飯までなくなってるし」

イ「おまけに掃除の邪魔だって

  部屋から追い出されたし……」

イ「お散歩でなんとか気を紛らわせてるけど

  そのうち空腹で倒れちゃうよ、これじゃ」


(音・衝突)

イ「いてっ」

ク「悪い、大丈夫か!?」

イ「いえ、ぼーっとしてました、すいません」

ク「本当にすまねえ、荷物を運ぶのに必死で

  注意が散漫になってたんだ」

イ「こう見えて体は丈夫なので、お構いなく

  荷物の方は大丈夫ですか?」

ク「ああ、心配してくれてありがとね

  そうだ、これ、お詫びの印にこれやるよ」

イ「え、うわあああ! パンだあああ!

  いいんですか、もらっちゃって!」

ク「ああ、大丈夫だよ、食べてやってくれ

  朝の売れ残りをどう捌くか考えてたとこだったんだ」

イ「売れ残り?」

ク「俺、この辺りでパン屋やってるんだ

  ほら名刺とメニュー表」

ク「そこに店の地図も載ってるから、良かったら今度きてくれよ」

イ「行く行く! 寝坊してご飯なくなった時はよろしく!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る