赤い子

イ「ふーん、この道がここに繋がってるのかあ」

イ「スラム街って入り組んでて迷路みたいだなあ

  薄暗いし、森の中みたいでちょっと落ち着くかも」

イ「……常に何かの視線を感じるとことかも似てるしね

  ここでは特に変な目で見られてるのかな、警備隊」


イ「あ……あ、ああ」

(音・ネコ)

イ「猫だぁぁ! 初めて見た!」

(音・ネコ)

イ「あ、待って、どこ行くの!」

イ「くっそ、結構足速いな

  しかも黒いからすぐ見失いそうだ」


イ「よし、やっと行き止まりに追い詰めた

  階段が多くて疲れたよ」

(音・ネコ)

イ「ふふ、本物の狩人に目をつけられたことを恨んでね

  覚悟ー!」

(音・破壊)

イ「え、壁がない?」

イ「うわぁぁぁぁぁ!」

(音・衝撃)

イ「いたたたた」

(音・ネコ)

イ「あ、待って……」

?「何やってんのよ、そんなところで」

イ「……」


?「坂の上にある壁を突き破ったと思えば、ゴロゴロ転がってくるなんて

  でっかい野良猫でも出たのかと思ったわよ」

イ「ゴメンナサイ」

?「ったく、傷だらけで猫を追っかけ回すなんて

  もう子供じゃないんだからやめなさいよ」

イ(私より年下みたいだけど……

  お母さんみたいだ、この子)

?「返事は!」

イ「はいぃ!」

?「ったく、コレに懲りたなら

  慣れない場所で走り回らないこと」

?「今日はたまたま私が見つけたからいいものの

  酷いことするやつだってたくさんいるんだから、この辺には」

イ(それを取り締まるのが私の仕事なんだけど)

?「ほら、ぼさっとしない!」

イ「はいぃ!」

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