竜神探闘⑤
アディル達の作成した
式神一体と
式神達は複数で一体の
「よ!!」
そこにアディルが投石を行い一投ごとに
またアンジェリナも要所要所で
「良い感じだな。あと五、六体削りたいのだが、そろそろ動きがあるだろうな」
アディルの言葉に全員が頷いた。
「エリス、式神を追加してくれ」
「了解♪」
アディルの要請にエリスが明るく返答すると
「アディル」
そこにアリスがアディルに声をかける。
「そろそろ
「わかったわ」
「それからシュレイとアンジェリナもあっちに参加してくれ」
そこでアディルがシュレイとアンジェリナに言う。
「どういうことだ?」
シュレイが訝しむようにアディルに言う。当初の予定ではない指示にシュレイは唯々諾々と従うような事はしない。
もちろんシュレイとアンジェリナは柔軟に対処する事が出来るために問題はないのだが、それでも当初の予定をこの段階で変える理由が知りたいと思うのは当然であった。
「理由は二つ。防御に徹する限り現段階では二人が抜けてもやれるという判断だ」
「もう一つは?」
「アリスの従兄妹達の存在だ。未だに居所を掴む事が出来ない。アリスがイルジードと一騎打ちになったような場合に横から入られると非常にまずい」
「露払いと言う事か?」
「そういう事だ」
アディルの返答にシュレイは思案顔を浮かべた。
「アリス達についていくのは俺一人追加の方が良いと思う」
シュレイの言葉に真っ先に反対意見を述べたのはアンジェリナである。
「兄さん、私も兄さんと一緒にいくわ!!」
「まて、アンジェリナ」
「何よ」
アンジェリナを制止したアディルに対してアンジェリナがギロリと睨む。
「シュレイの考えを聞こう。話はそれからだ」
「……う、わかったわよ」
アディルの言葉にアンジェリナが素直に従う。アディル達の中には肯定、否定どちらにせよ理由を聞いてから判断するという不文律があった。明確なリーダーがいない“アマテラス”の長所でもあり短所でもあるのだが、それが彼らの流儀の一つであるのは間違いない。
「アンジェリナが目立ちすぎたというのがその理由だ。アンジェリナの放つ魔術により奴等は少なくない損害が出ている。アリス達についていけばこちらの目的が看破される可能性が非常に高いだろう?」
「確かに……」
「正論ね」
シュレイの言葉にヴェル、エリスから即座に賛同の声が上がった。アンジェリナもシュレイの意見に渋渋ながら頷いたところをみると正論とみとめざるを得ないという訳なのだろう。
「確かに……兄さんの言う通りね」
アンジェリナが頷くとアディルも頷く。
「シュレイの言う通りだな。アリス、エスティルそれで良いか?」
アディルの言葉に二人はしっかりとした表情で頷いた。
「仕方ないけどシュレイの言葉は正論よ」
「そうね。仕方ないけどそっちの方が激しい戦いになる可能性が高いからね」
アリスとエスティルの言葉に全員が頷く。これで意見が出そろいアンジェリナは残留と言う事になったのである。
「よし、それじゃあタイミングを計るだけだな」
アディルの言葉にアリスは頷く。
「来たわよ」
ベアトリスの言葉に全員の視線がベアトリスの指差す方向へと向かうとそこには
「
アリスの言葉にアディル達は新手を見ると始まる前にアリスが紹介した
背後の本陣の方を見るとイルジードの周囲にはウルグと数人しかいないのが目に入った。
「状況は整ったな」
アディルの言葉に全員が殺気を放つことで応じた。アディル達から放たれる殺気を感じ取ったのだろう
「よし、いくわよ」
エリスが符を放り式神を形成する。その数は五十を超えている。式神を意のままに操る事の出来る限度の数である。
「な……」
突如現れた五十を超える騎士達に対して
(よし、やるか)
アディルは腰に差した
「行け!!」
アディルは五体の竜を
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