第1話
朝――わたしはベットで目を覚ました。
太陽の光がまぶしい。
わたしはパジャマ用の白いワンピースを脱ぎ、クローゼットから、少し長めの白いスカートと、白いワイシャツと白いローブを取り出して、着た。
ここは東の方角にある、白魔導士たちが生活している、山の頂上にある、白い大きな塔。
わたしは寝室を出て、大広間に向かった。
この
では、どうしているのか。
それは魔法陣が描いてある、床の上に立ち、目的の場所がある、階を告げる。それだけで、用が済む。
そうすると、まばゆい光とともにテレポートすることが出来る。
ちなみにこれは白魔導士の場合。
黒魔導士は漆黒の闇とともにテレポートする。
白魔導士が描いた、魔方陣は白魔導士にしか使えない。
黒魔導士が描いた、魔方陣は黒魔導士にしか使えない。
わたしは大広間に到着した。
後ろから声がかけられた。少女の声だ。
「おはよう、アルテシア」
そう、わたしの名前はアルテシアだ。
わたしもあいさつする。
「おはよう、エリーゼ」
彼女はエリーゼ。わたしの親友。
わたしと彼女は同い年で十五歳だ。
わたしはエリーゼとともに、朝食を食べるために、席に着いた。
木材で作られたイスに座ると、ちょうど良い高さにテーブルがある、わたしはこの大広間が好きだ。とても居心地が良い。
午前七時半くらいが人も少なく、ゆっくりと朝食を食べる事ができる。
わたしとエリーゼはパンとチーズとサラダの朝食を食べた。
その後、三十分くらい、エリーゼと些細な会話を楽しんだ。
そして、突然――辺りが火に包まれた。
時々忘れてしまう、今が……戦争中だという事を。
そう、火を白い塔につけたのは、他でもない黒魔導士だ。
使った魔法はたぶん、黒魔法の火魔法、ファイヤーカーテンだ。
ファイヤーカーテンは対象のものを一瞬にして火で包む、恐ろしい魔法だ。
つまり、魔法で起きた火災は、魔法を使わなければ消せないということだ。
わたしたち、白魔導士の中で、もっとも魔力があり、もっとも長く生きている長老、ナターシャ女史は、言う。
「何をもたもたしているのじゃ! タイムカーテンを使うのじゃ! 早くしないと怪我をする者が出てしまう。一、二、三で呪文を唱えるのじゃ。……一、二、三『タイムカーテン』」
タイムカーテンは白魔法で、対象のものの現在起きている魔法による異常を、時間を巻き戻して異常の原因となった魔法が失敗したことにする魔法である。
現在をなんとかするしか、ないのである。
それに、現在をなんとかすることにより、未来だって、変わるはずだから。
わたしたちはタイムカーテンを唱えて、火災を消した後に、
怪我をしている人が居るかを確かめた。
そして、怪我をした人たちには白魔法・ケアを唱えて治した。
ケアは白魔法の回復魔法で、切り傷、擦り傷、打ち身、捻挫、火傷などあらゆる怪我を治す魔法である。
幸い、死者は出なかった。
わたしたちは、命が失われていないことを知り、安堵した。
タイムカーテンは、対象のものの現在起きている魔法による異常を、時間を巻き戻して異常の原因となった魔法が失敗したことにする魔法であるなのに、なぜ、怪我をしたかというと、
物を対象とした魔法だからだ。人間には効果が無いのである。
なお、先ほどのタイムカーテンは、白い大きな塔を対象に使ったものであった。
わたしたちはナターシャ女史を中心に、対策について話し合いをした。
その結果、黒魔導士たちに白魔導士たちへの攻撃を止めるように手紙を出す事になった。
ナターシャ女史が手紙を書いているうちに、攻撃が絶対に止まないような、気がしてきてしまった。
でも、わたしたちは、平和的な解決を望んでいる。
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