白と黒の年代記憶……あるいは灰色の日々――少女は願う

桎梏梔子

プロローグ

 この世界は、魔力を持ち、魔法が使える人々があたりまえのように存在する。

 ……というよりも、魔法を使えない人はいない、

 魔法世界(マジックワールド)。

 ……正確にはわたし達がそう呼んでいるというだけだが。

 この魔法世界では、現在……、

 戦争が起きている。

 領地争いなどでは無く、考え方・信じていることの違いが原因だ。

 戦車などを使うのでは無く、魔法をつかうのだ。

 魔法といっても、相手を呪い殺したり、死んでしまった人をよみがえらせることはできない。

 わたし達のいる世界では魔法で生と死をどうにかすることはできないのである。

 考え方・信じていることはわたし達、魔法使いのタイプのことを説明しなくてはいけない。

 タイプとは、白魔導士か黒魔導士である。

 白魔導士は回復・補助の魔法を得意とする魔法使い。

 黒魔導士は攻撃の魔法を得意とする魔法使い。

 ちなみにわたしは白魔導士だ。

 白魔導士たちは光こそが全てであり、闇などは存在してはいけないと考え、信じている。

 黒魔導士たちは闇があるから光があり、闇は必要だと考え、信じている。

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