第27話 宿無し

「いや~、楽しかったね~。」


家に帰った頃にはもう辺りは暗くなり始めていた。


「アライさんあのパフェまた食べてみたいのだ!でも…もうちょっと少なくしてほしいのだ~」

「ふふ、そうだね。」

「そういえばミライさん、そろそろ出なくていいの?ホテルとか予約してないなら結構探すの厳しいけど…」

「い、いやぁ~…実はですね…」





「調査?」

「はい、知り合いに実は研究者がいてですね、それで調査に来たんです。」

「それでここの家に泊まり込みって言われたわけだ。」

「はい…」


あ~…どうしよう。

これ以上家に来られたら困るなぁ…

何故なら…


「我々が許可してやるのです。」

「感謝するのです。」


あの二人がいるから…


「あれ?あなた達は…フレンズさん、ですか?」

「いかにも、アフリカオオコノハズクのフレンズのコノハと。」

「ワシミミズクのミミちゃんです。」

「あら~…可愛い~…」

「てことで泊まってってもいいよ…はぁ。」


今日はドッタンバッタン大騒ぎだな…





「では採血を始めますよ…」


そう言ってミライさんは注射針を取り出す。

まずは血液の調査だ。

どうして俺がフレンズになったかを突き止めるためにやる。

ミライさんはそう言っていた。

別に俺は注射針が苦手ではないので、そんなに苦痛ではない。


「はい…終わりましたよ。」

「あ、終わりましたか。」

「はい、医師免許持ってなかったんで心配でしたが。」


大丈夫…なんだよな?


「とりあえずこれを私の知り合いに送ります。結果が出れば、書類を送りますので。」

「あれ、これ以上の検査はないんですか?」

「まぁ、一応ないですよ。あとはあのサンドスター火山の調査だけです。」

「あぁ…あそこ微妙に近いですしね。なんなら明日行きます?また登山になりますけど。」

「いえ、大丈夫ですよ。あそこはまた今度知り合いと行くことになってるので。」

「そうですか…晩ご飯作りますので、ちょっと待っててください。」

「分かりました。ではこのトランプであそこのフレンズさん達と遊んできます。」


そういってミライさんはアライさん達の元に行った。

しかし…どうしよう。

今日は人数多いし、しかも1人大食い…

なにか…なにか満足できる料理はないのか…!!





「アライグマ、引くのです。」

「アライさんはこのカードを引くのだ…アライさんの勘ならこれは絶対にババじゃないのだ!」

「さて、どうですかね?」

「アライグマはアホなのです。だからきっとそれはババなのです。」

「ぐぬぬ~…ならこっちを引くのだ!」

「引いたのです。」

「引きましたね。」

「ババなのだ~!?」

「あらあら、引っかかっちゃいましたね?」


ミライさんのトランプでババ抜きを始める4人。

あぁ…楽しそうだな~。

俺もこんなに友達が出来ればよかったんだがな…

俺の友達、少なかったし…


「…なんで友達少なかったんだ…」


自分のコミュニケーション能力のなさ…

さて、気を取り直そう。

茹で上がった麺を茶碗に入れる。

そしてあらかじめ作っておいた味噌スープ。

これを麺にかける。

そしてこれまたあらかじめ切っておいたチャーシュー、ゆでたまごをトッピング。

最後にメンマ、ナルトを入れ完成。


「味噌ラーメン…です!」





「「「「「いただきます!」」」」」

「これは箸…なのですか?」

「我々は箸を使うのが苦手なのです…」

「賢いのに?」

「なっ!嘘なのです!我々は箸を使えるのです!」

「わ、我々は賢いので!」

「あ~、このラーメン美味し~♪麺がツルツルでいいですね、メイさんって料理上手いですね!」

「ありがとうございます、なんか作ってる内に上手くなっていっちゃって…」

「アライさんこれ好きなのだ!ハンバーグを入れたらもっと美味くなるか?」

「うーん、それは分からないなぁ…そういえばミライさん、調査もう終わったから帰ってもいいんじゃ…」

「いえ、絶滅種のフレンズの普段の暮らしを観察してこいと言われたので、まだ調査中なんです。」

「そうですか…」


それにしてもこのラーメン…我ながら美味しい。

インスタントラーメンとはいえ、少しスープにアレンジを加えてより味を濃いめにしてるので、かなり食べごたえはあるだろう。





「「「「「ごちそうさまでしたー!」」」」」

「そろそろ部屋行って~、電気消すよ~。」

「我々は帰るのです。」

「帰らないと心配されるのです。」

「2人ともばいば~い」

「またトランプやるのだ!」

「ではおやすみなさい~」

「寝るの早いね!?まだ電気消してないよ!?」


今日は本当色々あったなぁ。

いきなりテレビで見てた人が来るし…

登山するし…

パンケーキのサイズやばかったし…

でも、そんな日常も悪くは無いかな。

また明日、いい出会いに期待だ。

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