第4話 正体
「君は…あの時、近くにいたりした?」
「うぇ?えーと…あー!確かにお前いたのだ!」
言質も取れた、やはり彼女はアニマルガールだ。
灰色、白、黒と部位によって別れているショートカットの髪の色。
青っぽい服と黒いショートスカート。
さっき触ったのでわかるが、若干もふもふしている灰と黒の横縞模様の尻尾。
そんな彼女は、自分のことを「アライグマのアライさん」と名乗った。
さっきからわかる通り、初対面だけどお前呼びしたり、初対面だけど家の中で寝たりと、まぁハチャメチャだ。
これが、アニマルガール…とても手間がかかりそうだ。
…というか、これどうするんだろう?
俺警察とかいった方がいいのか…
いやいや、でもアライグマって害獣だよな、確か。
この姿で殺処分されちゃうの?
可哀想すぎない?
◆
「おーい!聞こえるかー?」
「…ん、あぁごめん。考え事してた」
「お前って、深く考えると周りが見えなくなるやつなんだな!そんなに深く考えなくても別に大丈夫なのだ!」
「そんな事は無いと思うけどね」
随分と楽観的な性格と来た。
俺とは正反対だ。
…楽観的になれたら、きっと楽しいのにね。
「そういえば、お前の名前ってなんなのだ?」
そう言われ、相手が自己紹介をしたが、自分はしてないことに気付いた。
相手もハチャメチャだが、自分だってこういうところはしっかりしてなかったりするのを思い出した。
「あぁごめん。俺は
「こちらこそよろしくなのだ!メイ!」
そして互いに握手を交わす。
何故かこういう文化は相手もわかっていたようだ。
律儀に固く握手を交わし、微笑む彼女の顔を見て、少しドキッとした。
よくよく考えなくても、彼女は女性であり少女なのだ。
少し馴れ馴れしかったように感じた。
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