第三回 小説の技術「上手い」と「面白い」
小説を上手に書ける事と面白く書ける事は似て非なるものです。
私の個人的な考えでは、この二つの技術は両立させなければならない別の技術であると思っています。
小説の書き方、等で検索をかければ小説を上手に書くための技術の概要は簡単に見ることが出来ますし、書籍化されているものも多くあります。
しかし、それだけでは足りません。
これらはあくまで上手に書くための技術であり、小説を面白く書くための技術ではないからです。
では、面白く書くための技術って何なんでしょうか?
これが解りません。
いや、もったいぶってるんじゃなくてマジで解りません。
ですが、ジタバタともがく内にヒントはいくつか得ました。
作者の想像する世界を文字で書き起こしている訳ですが、そこに作者自身が見えない作品は面白さを感じることは少ないように感じます。
作者が見える作品というのは、例えばヒロインに「ああ、作者の性癖だとこういうヒロインが好きなんだな」とか、主人公の行動に作者の理念が透けて見えたりとか、展開に「オレはこういう熱い展開が好きなんだああああ!」といういわゆる「熱」が込められている。
あまり上手くいえませんがそういうものを感じれた作品は「面白い」と思うことが多いように思います。
が。
この作者の熱だけをブチこんで熱暴走で書いたようなものは面白い要素こそ見えるものの、これはこれで読みにくかったりする事もしばしばなので、こういう時に上手に書く技術というものが必要になってくるのだと思います。
また、いくら好きなものを熱く書き殴っても、第一回で語ったように「小説はエンターテイメントである」という前提を忘れてはいけません。
好きなものを熱く書くあまり、読者の事を考えないのもダメなのです。
好きなことを熱く、冷静に、そして専門的になりすぎず。
言うは易し成すは難し。
「んな事は言われなくても解ってるんだよ!」
と思われる方々も多いと思われますが、それでも私は主張します。
自作を書くときに自分の中にある欲望は冷静に、人に優しく、そして熱くブチまけましょう。
作者の欲望が正直にブチ込まれた作品だと、特にキャラクターが活き活きしてきます。
ライトノベルという分野においてはキャラクターの占めるファクターというのは物凄く大きいので、活きの良いキャラクターというのは強力な武器になるはずです。
それでは今回はこの辺りで失礼します。
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