第14話どっちが出て行くか?
私と娘の希望はなるべく早い別居
なんだけどなにしろ今の私は
収入ゼロで仕事もない
そんなんでよく離婚する気に
なったと言われるかもしれないが
幸い何かに取り付かれたように
娘の教育費だけは最優先で
ある程度貯金をしていたし
独身時代の貯金も少しはある
ただ住むとこだけは
今すぐ見つけるのは難しい
なんとか娘の卒業までは
この公営住宅に残らせて
もらうのがやっぱりベストかな
そこでまずは彼の説得にかかる
気分が落ち着いていそうなときに
あなたに家庭を壊されたけど
お金がないから慰謝料ももらえないし
この先も何もしてもらえない
だからせめて子どものために
あなたが住むとこを探すし
引っ越しも手伝うから
身軽なあなたの方が出て行ってほしい
という話をした
あの怖い支援員さんもついてるから
力になってくれるでしょう
こっちは来年は受験生だし
いったんは納得した彼だったが
その後また何か不安になったらしく
前ぶれもなく
「子どもはお前のお兄さんのとこに
下宿すればいいじゃないか
お兄さんになついてるんだし」
と言いだした
言っておくが娘はなかなか
心を開かないタイプ
そもそも残念ながら懐いてない
そう、こういうヤツだった
とにかく自分だけは守ろうと
平気で白々しいうそまでつく
私はきっぱり他人だけど
娘は(かわいそうだけど)
あんたと血がつながってるだろ!
もうこうなったらなんでもいいから
勝手に動いて追い出そう
理屈も仁義も約束も情愛も
何もかも振り捨てるやつに
遠慮する必要は一切ないな
でも今は引っ越しシーズン真っ盛り
タイミングの悪さだけが
常に際立っていたが
またそれか
果たして家が見つかるのか、、
早く家で和めるようになりたい!
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