第6話新しい診断
そして感情を殺して
ただ息をしていて
気づいたら12年が過ぎていた
少しでも良くなってほしいという
希望さえもう持てなかった
このまま年を取っていくんだ
そうあきらめていた
そんなときに降ってわいたような
今度の離婚話
そんな好運が本当に起こったのか
にわかには信じられなかった
気が変わられたらどうしよう
血圧が高いと騒いでるから
もしいま倒れられたら、
またいちから地獄の日々の
繰り返しだ
何かに追い立てられるように
私は真っ先に離婚届を
もらいにいった
そして翌日がちょうど脳神経科の
受診日だったので
ダメもとで受診についていき
先生に妄想の相談をしてみる
ことにした
離婚の決意は変わらなかったが
何かきちんとした原因があるのか
いまさらながら知りたかった
そして一通り診察が終わったのを
見計らって先生に声をかけた
実は家でトラブルになるほど
病気で倒れた後で妄想が始まり
最近になってひどくなっていること
それが高次脳機能障害のせいなのか
それとも薬の副作用の
可能性とかがあるのか
それとも他の原因なのか
話をきいた先生は首をひねりながら
薬は逆に興奮を抑えるものだから
薬のせいではないし
障害のせいかっていうと
難しいところだけど
もし障害のせいなら
良くなることもないし
(良くならないんだ?!
そんなの一言も聞いてない!)
かといって悪くなることもない
だから他の原因を探しましょう
ということで精神科の受診を
すすめられた、、
障害じゃないって?!!
じゃ私はなんのために
ガマンしてたの?
障害だから仕方ないって
ずっと自分に言い聞かせてきた
なのにばかみたい!
精神科?!
付き合ってられないわ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます