第3話最初の決意

それでも彼が倒れる前は

子どもと遊んでくれる

こともあった

でも、自分にやらなければ

ならないことがある時は別

ある仕事の締め切りが迫っていたとき

彼は安心して甘えかかってきた娘を

いきなり怒鳴りつけた


その頃まだうまくしゃべることさえ

できなかった娘を

私は泣くのをこらえて見つめた


そんな私を見て、小さな娘は自分が

何か悪かったのかと考えたらしく、

自分から再び彼に近寄っていき

「ごめんなさい」とあやまった

娘の意外な行動に

びっくりするまもなく

あやまられた彼は再び

「おまえなんか知らないよ!」

と娘を怒鳴りつけた


当然許されるんだろうと

思っていた娘はショックを受けた様子


信じられない!

がく然とした

なにも悪くない娘にあやまられても

まだお前は怒鳴りつけるのか!

あやまるのはおまえの方だ!!

ふざけんな!!

心の中で叫んだ


私は娘を抱き寄せ

「あなたは悪くないのよ

 パパの機嫌が悪いだけ、、」

そんな自分が思ってもいないことで

娘をなだめながらも

心の中は荒れ狂っていた

この人とは永久に理解し合えない

娘のためにも

なんとしてでも離婚しなくちゃ

専業主婦だった私は

自立への道を模索し始めた


私の気持ちはとっくに

彼から離れていた

そしてまさにそんなタイミングで

彼が家で脳出血で倒れたのだ



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