-タツヤ=リュウザキ‐

私は朝の日課、ジョギングの帰りに冒険者ギルドに立ち寄りギルドマスターのヴォルフさんに軽く挨拶をするだけのつもりだったのだが…冒険者ギルドで新しく働くことになった東の大陸からやってきたタツヤ=リュウザキ、リュウザキさんに自己紹介をして雑談をしていたはずなのだが…


目の前に広がる冒険者ギルドが管理する訓練場…冒険者達の訓練や新参物への指導、ランク試験を行う場所に私は立っている…向かい側にはリュウザキさん、なぜか戦う事になってしまったのだが…

いや…あの…私は賃貸屋なんですけど? 

それにしても訓練場無いが荒れている、外壁はところどころヒビ割れているし観客席側は魔法が打ち付けられた形跡が…いちよう魔法障壁が貼られているから並みの冒険者じゃ貫通、障壁を木津つける事すらできないはず…


「双方、準備は大丈夫か? 」


訓練場の外壁側に置かれた立会用の席にはヴォルフ、観客用の席には今日は誰もいない


「ヴォ…ギルドマスターいつでもいいぜ! 嬢ちゃん今回は本気を出させてもらう」


港町イルスアで私達に襲ってきた時とは獲物が変わっていた片手剣ではなく魔導武器…

魔法を打ち出す銃口にダガー状の刃先が付いている魔導銃剣を両手に構えている、素材がオリハルコン


「そういえばメッシュの色が金から赤に変わっているけどイメチェン? 」


「いや…嬢ちゃんの店の近くにあたらしくホテルができるだろ? 金だとなんか被ってる気がして…」


「ああ… 」


リュウザキさんは東の大陸にある帝国、エインヘイムから脱国してきたらしいけど…ヒナタ達と旅した時に似た武器を使っている兵士がいたな…あの時は名前さえ確認しなかったけど…


「それじゃあ、俺の実力…解放させてもらう! 」


魔道銃剣の引き金を引くリュウザキさん、魔法陣が浮かび上がり両手には魔導文字…ってオリジン?

魔力光で描かれる文字は両手と両足…いやまだ完全なオリジンではなない…まだ未完成のようだ…

あくまで強化魔法レベルをまだ出れていない…けどこれ…ヴォルフと互角なんじゃないか?


「ちょっとヴォルフ…まさかではあるけど」


「いや…まだまだ俺の方が強いぞ! 安心してくれ! 」


「安心というかそれぐらいの力はあるっていう事ね…ていうかこの訓練場の有様…戦ったわね? 」


「これが終わったら修繕を頼む…」


「いや…それって、これから戦って私にも壊れた理由を押し付けるつもり?! 」


「……」


おい、黙るなよ! この戦い自体を口実にして安くさせるつもりなのか? そうはいかないわよ?

それにしてもヴォルフさんとほぼ互角か…相当実力を隠していたわね…私も少し本気を出すかな


「リュウザキさん殺さない程度に本気を出させてもらうわ…その方がいいんでしょう? 」


「おう! こい! 王都リ・ワールドの一握り、1人で1国を落とせると言われる真の実力者の力見させてもらう! 」


体に施した封印を少しづつ解除していく


「これはすげーや…」


驚きを隠さないリュウザキさん…私の体に魔力がいきわたっていき両手から魔術文字が浮かび上がっていく…帯電し紫電を纏う髪、両手から始まった魔紋と文字は体全体に浮かびあがっている…


「ええ、リュウザキさんのその身体強化のさらに先、完成形」


「オリジンに至るもの力か…」


そして私は右手を前に出し武器を取り出す一振りの槍を手に取る…アキトのデュランダルと同時期にリ・ワールド女王リーナとクエスさんより渡された武器、神槍プリューナク…神槍とかついててケルト神話にでてくる槍の名前だけど本物というわけではない…転移者、転生者がありふれているこの世界の最高の刀工、武器職人達が作り出した武器だ…でも性能はとんでもない者ばかりである


「すげー武器だな… 」


「私達の世界での神話に出てくる武器の名前が付いている物でね…ま~ユクド・ヘイラに現存する武器のなかでは最高の業物のひとつね…私達の魔力に耐えきれるものがすくないのよ 」


「私達か… 」


「リーナ女王とかクエスさんとかアキトとか…かな貴方でも分かる人物は… 」


「本当にこの国はどうかしてるぜ… それじゃ行かせてもらう! 」


リュウザキさんが地を蹴りこちらに向かってくる、左右からくる斬撃を後方へ回避すると思わせて槍の穂先を大地に付き上へ回避すると、左右の斬撃が交差される瞬間に魔導銃剣から膨大な魔力が集約された炎弾がうちだされ訓練場の外壁に当たる、炎弾が当たった部分は音も無く焼き崩れていた…


「よいしょっと!! 」


私は後ろに降り立つと同時に下段の回し蹴りを放つが避けられる…と同時に槍を持っていかれる


「武器を手放すなんてな…くっそ重いなこれ… 」


「それでも軽い方なんだけどね? おいで」


プリューナクに向かい私が言うと手元に現れる…


「ずるいなそれ… 」


「いや…ずるくはないでしょう…増殖させたりとか、無限に追尾してくるとか、なんでも斬りさくとか…というかそういう類の武器に事態に転生した人もいるし…」


「どんな人だよ? 」


「ラーメン屋に行けばあえるわ…よっと! 」


会話の途中ではあったがリュウザキは両手の銃剣とそこから打ち出される魔法弾、変幻自在の攻撃を行ってくる、私は全て擦る寸前に見極めて避け、たまに槍で受け止める


「会話しながら俺の攻撃すべて躱すなんてな… 」


「炎系魔法よりこっちのほうがいいんじゃないの? 」


私は槍をもっていない手で魔法を打ち出す、小手調べの雷撃魔法ミョルニル…

余談ではあるがミョルニルという武器も存在する…


「ぐおおおおおっ…」


リュウザキさんは魔導銃剣で私の魔法を受け止める…さすがオリハルコン製…帯電してるね…


「これでも食らえ!! 」


帯電してる状態で実弾を打ち出してくる…やっぱり実弾も装弾されていたか…いやされてないといまいち魔導拳銃としては微妙よね…剣と魔法で十分だしね…わざわざ魔導拳銃を持つ必要性はない

レールガンとして打ち出される銃弾を私は右手で弾く


「あぶね!! 」


外壁で戦いを見守っていたヴォルフの顔、そのすぐ横を弾丸とおりすぎ弾痕を穿つ


「いまの速度の一撃も簡単に…素手で弾くのかよ…雷系は相性がわるいみたいでね」


「教えてあげてもいいわよ? 炎雷のリュウザキ…中二病みたいね…」


「そのネーミングはどうにかしてほしいが…教えてもらえるなら」


「それじゃー次はこっちから行くわね」


少しづつ早くしていく、最初の方は受け流し、回避していたが…最終的には超高速の攻撃へと変えていく、柄の持つ位置を変えリーチに変化させリュウザキさんの右肩、左肩、右膝、左膝を破壊しする、攻撃は全て石突きで行っている



「くっそ…降参だ…」


両手からは力が消え、武器の重さでぶら下がっている両手…生まれた子鹿のような姿に少し笑いそうになったが今笑ったら確実にサドスティックと思われるのでやめた、ブリューナクをしまい自身に封印をかけて治癒魔法を唱えリュウザキさんの治療を始めた

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