-新店舗準備中④-
チュンチュン
鳥のさえずり王都の朝がやってくる、3階の室内、窓から日の明かりが差し込む…顔に直接朝日の明かりを浴びた眩しさから目を覚ました
「知らない天井…ではないわね」
新しくなった自身の家、その部屋…まだ片付いておらず荷物の入った箱も床に散らばっている、服は何枚か出ているが聞慣れたパーカーとジーンズ等、必要最低限の物ばかり
「ん~~~…頭が痛い…」
木製のベッドの上で猫のように背伸びをし先日の鍋パーティ、飲みすぎたのか頭が痛い…治癒魔法ですぐに治すと頭の痛みはすぐになくなり、寝間着から私服に着替え、軽く化粧をしてから部屋を出る
「おはよ~」
挨拶をしながら居間に出るとコタツで空の酒瓶を抱えながら鼾息をかいているヒスイとクロ―ドを抱き枕のように寝ているヒナタ達、そして未だに飲んでいるクエスとフィン…カエデさんはたしか帰ったな…ヴォルフが夜中は危ないからと家まで送っていった…アキトは…シャワールームの方から水音がするから起きて浴びているのだろう…
「まだ飲んでいるの…クエスさん王城の仕事は? 」
「おはようイズミ殿…本日は休みを頂いているから大丈夫…とは言えないな…」
「おはようございます店長…お父様まだ勝負は終わっていませんよ!! 」
疲れ切ったクエスの疲れ切った顔と目が座ったフィン…そういえば絡み上戸だった…お酒にもつよくまず潰れないからきついのよね…治癒魔法で酔いを醒まそうとしたら魔法妨害された…
それを見た私とクエスは溜息をつき、クエスさんに同情しながらキッチンにいき魔導喚起しすてむを作動させ冷蔵庫から水をだし飲んでいるとアキトが上がってきた
「なんか飲む? 」
「あ~~じゃあ同じ水で…頭痛い…」
「はいはい…ほらこっちきなさいよ治癒魔法かけてあげるから」
「助かる…魔法ってやっぱ便利だよな…普通なら二日酔いで苦しみ続けるのに…」
アキトに水の入ったグラスを渡し、二日酔いを直してあげているとクロ―ドも起きたようだが身動きがとれないらしい…
「お~いヒナタ~起きろ~朝だぞ~」
「あと5分~~」
スヤァ~とまた寝てしまうヒナタをなんとかどかし脱出してきたクロ―ドにシャワーを進めて、朝ご飯の準備を始める、昨日の肉の余り…余っているのが不思議だが3つあるコンロでソーセージと、卵焼を焼きつつ昨日あらかじめ用意してもらっていたスープを温め、パンを焼、人数分用意するアキトにも手伝ってもらい運んでもらう
「フィンそろそろ終わりにしよう…」
「しょうがないですね~~~次回はたっぷり付き合ってもらいますよ」
「た…助かった…」
さすがに朝食が並びはじめ、フィンも酔いを醒ましコーヒーを入れるためにキッチンへ向かう、クエスは朝食と言う助け船がありフィンから解放される
基本エルフは睡眠をとらないでも大丈夫らしい…逆に睡眠がすきなエルフは数年…数十年寝たままの物も…半精霊の身だからできることだが人族や獣人族には無理だ…そんなに寝てたら干からびてミイラになる
私達は朝食をすませて一度解散、私は1階におりて店舗に入る…整理された書類棚と並ぶ魔導モニター、複数並ぶ席とテーブル、セルフサービスの飲料コーナー
「前と比べると広すぎるかな…」
音楽プレイヤーを起動させて入口にを開き、シャッターを開けるとほぼ見慣れた光景、王都の街並み
「お、イズミさんおはようございます! もうすぐ開店できそうですね! 」
店の前には一人の冒険者、マンションを賃貸契約しているカイルさんだ
「ええ、明日から通常営業はじめますよ…それで今日はどうしました? 」
「ああ…ちょうど俺も明日からダンジョンに入ってしまうんで賃貸料金を支払いに」
銀貨の入った袋を渡される丁度金貨3枚分入っている事を確認する
「はい、確かに確認しました、気を付けていってきてくださいね」
「では、失礼します」
「いってらっしゃーい」
私はカイルさんを見送り起きてきたヒスイに留守を頼みストレッチを開始する、毎日の日課のジョギング、賑わい始めた王都内を走って回る、契約してもらっている店、1件づつ挨拶をし、看板を出しているカエデさんにあいさつをする、三朗さんたちは不在のようだ…張り紙には『資材調達の旅に出ます、期限不明』と書かれているが…どこへ行ったのやら…王城に顔を出そうとしたが…面倒なことが起きそうだからやめよう
「ヴォルフさんおはよう! 昨日はありがとうございました」
「ああ、イズミさん、昨日はごちそうになった」
「いえいえ…あ、彼は…」
ヴォルフの隣にいる黒髪に赤いメッシュを入れた男…港町であった冒険者がいる
「こいつここで働かせることにしたんだ」
「おお、嬢ちゃんじゃねーか、イルスアでは世話になった、ヴォルフの旦那のとこで働く事になったんだ宜しくな」
「クロードの穴埋めにはちょうどいいからな」
結構なかがよくなったようでなによりだが…そういえば名前しらない…
「そういえば自己紹介がまだだったなタツヤ=リュウザキだ」
「イズミ=タチバナです王都で賃貸屋をしています」
私とリュウザキさんは握手しながら自己紹介をして雑談を始めた…他の4人はそれぞれ違う職についたらしい
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