-賃貸屋の始まり‐




いきなりですが私、橘いづみ は異世界ユクド・ヘイラ、数ある大地と国…その一つ


王都リ・ワールドで賃貸屋を運営しています。


事の始まりは数年前…


営業の仕事帰りに営業車で道を走っていたら突然の振動と共に車体が突き飛ばされ


カーブの途中のレールに突っ込み崖から落下した・・・


とてもスローモーションで走馬灯?らしきものを見ながら短い人生だったなーと思っていると


視界が真っ白になったのだけど…


----過去を振り替える-----


「ここ……は?」


気が付くと異世界にいた…いや、頭がおかしくなったわけではなく


テンプレ?仕事の通勤や自宅などでスマートフォンやパソコンを利用して読んでいる小説の


異世界物でよくある女神とであったとか、目を開けたらとか…


まさにそれ!!


目を開けるとそこに広がるのは排気ガスやらなんやらで薄汚れた空ではなく


綺麗な青が広がる空と…ド、ドラゴン?!これはやっぱり異世界と言う奴ですか…


そこは緑の大地が溢れる異世界だった…そして私のすぐ近くに誰かいる


「やぁ! 君も転生者? 俺の名前はあきㇳ」


なんか金髪美男子が声かけてきた!!転生者?私は死んだのかな・・・・でも女神様とかあってないし…


「……ナんだけど」


やばい聞いてなかった!仕事中も考え事が始まると人の会話を聞いてなくって怒られたりした


「君…16歳か年下だね…ステータスも凄いしせっかくの異世界だし一緒に冒険しないか?」


「え?16? ステータス?…あっ」


ステータスと声を出したらなんか出てきた……もうすごくテンプレだね


【ステータス】

 名前:イズミ=タチバナ

 種族:人族

 年齢:16

 職:-----

 スキル:言語Lv10、簡易鑑定Lv5、錬成Lv5、魔力操作Lv5、

 称号:異世界人、勇者の卵(秘匿)、魔王の卵(秘匿)、全てを見通す物

 攻:100

 防:100

 魔攻:200

 魔防:200


ん~高いのか低いのか良くわからないステータスと称号…フラグと言うか物騒と言うか…

勇者、魔王とついていないだけましというか…でも卵… 年齢が若返っている!!


「僕のも見てみる?声に出さなくてもステータスを視たいと思えば見れるはずだよ?妨害されなければ」


【ステータス】

 名前:アキト=タカハシ

 種族:人族

 年齢:17歳

 職:勇者

 スキル:言語Lv10、簡易鑑定Lv10、錬成Lv5、魔力操作Lv10、

     剣技Lv5、武術Lv5

 称号:転生者、魔王の卵

 攻:200

 防:200

 魔攻:100

 魔防:150


「あ…みれた…勇者と魔王の卵は標準装備なのかな?」


「え? 秘匿ステータスも見れるの?! あぁ…称号の効果かな?そうだよ女神様の説明によると転生者や異世界から来た物達は勇者にもなれるし魔王にもなれるみたいだ」


やはりというかなんというか…私は女神には会っていないし説明もなにもうけずにこの世界に紛れ込んだようだ、異世界トリップ、転移ってやつかな、アキト君にいろいろ聞かないと。

私はアキト君が女神に聞いた事、いろいろと質問し聞くことにした。


----1時間後----


「というとタチバナさんは転生ではなく仕事帰りに事故にあって気が付いたらユクド・ヘイラに来ていて年齢も若くなっていたと・・・・」


「そうそう…外見も若くなったぐらいで変わってないね、服が少し大きいけど、それとイズミでいいよ?こちらの世界だとタメだしもともとそんなに年齢はなれてないから」


「了解~なんか背伸びした、コスプレみたいだね・・・」


「アキトくんもまぁ~転生するまでの経緯がすごいね・・・人を助けて転生って」


1時間近く話をしていてアキト君と大夫仲良くなった、アキト君は赤信号で飛び出した女の子を助けて車に惹かれて(テンプレだね…)女神さまに声をかけられこちらの世界に転生をしたらしい

私とちがっていろいろと説明を受けてからきたから物知りだ。

ステータスいがいにもマップなどの説明をしてくれて大夫理解が深まった。

この世界には他にも転生者やトリップしてきた人が数多くいるらしい

異性と二人で冒険というのも少し考える所があるけれど一緒に旅をすることにした


そして時は流れ…



----数年後----


というわけでアキトと二人で旅を始めてダンジョンを攻略したりとか各国の王様に謁見したりとか

他の転生者達と出会ったり魔族と戦ったり別の勇者と戦ったりと楽しく旅をつづけて

私はこの王都で賃貸屋を開くことにした。

旅の途中で仲間になったり知り合った獣人の子やエルフを店員にのんびり異世界ライフを日々楽しみながらすごしている。


「いろいろあったな~」


昼下り、ガラス越しにみる王都は賑わっており店の方も何人かの来客が来ている

お?またお客さんだ冒険者かな? 店の奥から観察していると私の向かい側でお茶を飲んでいる人物が書類から目を離しこちらをジト目で見てくる。

アキトも21歳になり無駄な筋肉の無い筋骨隆々、伸ばした金髪を後ろで束ねており戦いでは脳筋なのに元々が美形だからか知性を感じられる。


「うんそうだね~って、あの仕事してくれない?俺は住居借りに来てるんだけど?」


「いや~借りなくていいんじゃない?てか買えば?作れば?なぜ私の店にくる?」


「せっかく王都に来たんだし知り合いの店に来るのは悪いことではないと思うのだけど?作るにしたって俺想像力が皆無だから作れないし魔法とかだったらアニメとかゲーム好きだったからできるけど」


アキトが私の住む王都にやってきて賃貸を借りに来ている、住居も販売をしているのに

購入ではなく賃貸契約をしたいらしい…景色に飽きたら引っ越ししたいし

長い異世界人生だから購入はもったいないからだ、理解はできるのだが資金ならくさるほどあるでしょ?!


「それならこの物件なんて如何でしょうか?ワタシノジシンサクデオキャクサマニトテモオススメデスヨ」


「なんで途中で片言に」


「如何でしょうか(満面の笑み)」


「いや…如何でしょうかじゃなくってさ」


「ささっ!ここに契約のサインを」


「ダンジョンなんて借りるわけないじゃん?面白そうだけど?!」


勇者のステータスで投げられた書類は私の顔にクリティカルヒットしてすごく痛かった。

結局アキトはマンションタイプの賃貸を契約することになった。

店の方では先ほどの冒険者が「なにを馬鹿な!」と叫んでいるなかで店員と契約処理をしており、アキトがこちらを見て笑っている。

王都初めてのひとならそうかな、贅沢品満載だからうちの賃貸。

トイレとお風呂無しも提供するかな…いやいやいやあり得ない! トイレとお風呂は別でしょ! ユニット式?ありえない!! 水洗は当たり前!ユクド・ヘイラに来てから一番ダメージ受けたのはトイレだよ?お風呂だよ? 水浴びだけとか草むらで処理とかあり得ないよ?魔法で綺麗にできるけど日本人の私は無理だよ? さて…次の住宅なにを建てるかな~他の王都に店舗でも増やそうかな~



そして今日も平和な王都での日常が送られる








【ステータス】

 名前:イズミ=タチバナ

 種族:人族

 年齢:20

 職:賃貸屋

 スキル:言語Lv10、鑑定Lv10、錬成Lv10、魔力操作Lv10、剣技Lv10、

     槍術Lv10、斧技Lv10、弓術Lv10、体術Lv10、創造魔術Lv10

     …etc


 称号:異世界人、勇者(秘匿)、魔王(秘匿)、全てを見通す物(秘匿)、

    賃貸屋、不老の民…etc


 攻:計測不可

 防:計測不可

 魔攻:計測不可

 魔防:計測不可

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