ISEKAI CHINTAI ~異世界で賃貸運営しています~
八尋
第1章 プロローグ
-冒険者の場合-
私はこの王都リ・ワールドに多々存在するダンジョンに挑むためにやってきた・・・
王都内はダンジョンがあることからか前に活動していた場所よりも賑わっている
私がいま立っているのは東西南北にある大通りのうちの南に位置し王都の入り口から伸びる長い通りの向こうには城が見える。
冒険者ギルドへ登録に行く前にまずは…拠点となる宿を探さないといけない
到着したばかりで地理がわからず道を歩いている男に声をかける
「すいません、宿を探しているのですが懐が心細く安い宿はないだろうか?」
「冒険者さんか?ここ、王都に来たのは初めてのようだな…」
「ええ、ついさきほど着いたばかりで…すごい活気にあふれてますねここは」
「そうだろそうだろ!それで宿だったな、滞在はどれぐらいになるんだ?」
「?…あ~長期滞在を考えているんだが?」
男から滞在期間を聞かれた、私としてはただ宿を聞きたいだけなんだが…なにかあるのであろうか…男は少し考えてから
「滞在期間が長いのであれば宿屋ではなくやっぱりイズミさんとこかな…」
宿を教えてもらいたかったのだがイズミという方を紹介されてしまった…宿なのか?滞在期間となにか関係があるのか疑問ではあるが案内をしてくれるらしく俺は行為に甘え着いていくことに決めた。
----15分後----
人々が行きかう大通りを雑談をしながら歩くことすこしばかり、王都の中心から少し外れた場所へ到着した、案内された場所には
「イセカイチンタイ?」
そこには2階建ての私では到底何年欠けても手に入らなそうな立派な建物が建っていた。
すごく透き通った透明の硝子か?、硝子には紙が貼られており閲覧している人々がいる。
硝子といったらとても高価なもので私が生涯をかけて稼いだとしても無理そうだ・・・
看板にはこう刻まれている【ISEKAI CHINTAI】…イセカイチンタイと読むらしい
「本当にここなのか?」
「ここだよ、騙されたと思って入ったらいいさ、それじゃいい場所あるといいな、それじゃあ俺はここで…」
「ありがとう助かった!」
いい場所?男と別れて私はどうしたらいいものか思案したが考えていても仕方がない
少し不安ではあるが私は店に入ることにした。
店に入るとカウンターがあり、店内に配置されているテーブルでは店員と客が書類を眺めながら話し合いをしている。
私はカウンターにいき獣人族の少女に声を掛ける事にした。
「すまない、宿を探しているのだがここは宿なのか?」
「いらっしゃいませ!新規の方ですか?ここは宿ではなく賃貸を貸出ています~」
「賃貸? 貸出?」
「はい、賃貸です、長期滞在や自身で家を持っていない方向けに住まいを貸し出すお店です」
賃貸?住居を貸し出す?宿ではないのか?詳しい話を聞くべくカウンターの椅子に座り
私は店員の話を詳しく聞くことにした。
----10分後----
「つまりここは月ごと契約をし決まった額を払うことで住居を貸してくれる店なのか?」
「はい、そうですよ~」
やけに間延びする喋り方ではあるが…それはさておきここは宿屋ではなく賃貸屋、住居を
貸してくれる店のようだテーブルで話している者たちは住居の情報をまとめた書類から
自身にあった住居を探しているそうだった…
「私は王都にあるダンジョンで生活費を稼ごうと思っている・・・私にあった住居はあるか?いまはそんなに貨幣はもっていないのだが…」
「お住まいはお一人で、冒険者、ダンジョンを生業にするのですね~」
「ああ!」
そうすると店員は整理されている書類の中から一つの書類を差し出してきた
「こちらの物件はどうでしょう?キッチンや~ベッドとトイレ、お風呂もついておりダンジョンを生業にするのであれば十分家賃を支払えると思いますよ~?」
「風呂?!トイレ!?」
「はい~ございますよ~」
店員は何を言っているんだ…風呂?トイレ?王族や貴族しか持てないという贅沢品ではないか?
「なにを馬鹿な!贅沢品ばかりではないか!そんなところ私が住めるわけがないだろう!」
思わず声を荒げて叫んでしまった……周りを確認するとこちらを見て驚いた様子を見せるが
すぐに書類の閲覧や雑談に戻っていった…なぜか笑われている…どういうことだ?私はそんなに笑われるような事を言ったのか?トイレだぞ? 風呂だぞ? 疑問に思っていると店員は驚くべきことを言ってきた。
「そうなんですか~?当店で扱っている所では基本ですし月にお支払い頂くのは金貨3枚程度ですが」
「金貨さ…?!」
金貨3枚…たった3枚?私の価値観ではキッチンや風呂、トイレが自身専用である住まいなど
金貨数十枚はかかると思っていだが私は馬鹿にでもされているのか?
前にいた農村の宿など1日大銀貨2枚それも風呂などはなく井戸からくみ取って使用しトイレも共同と悲惨なものだ。
「本当に金貨3枚なのか?」
「はいそうです~場所も王都の西門から近く、食材等も1階に商店がありますからとても便利ですよ~」
「是非そちらを契約させてほしい!! 今日からは可能か?」
「住居を確認いたしますか~?」
「たのむ!」
「わかりました~てんちょ~お客様に住居を見せるため少し西門の物件にいってきます~」
店員が店の奥…どんだけ広いんだろうかこの店…に声をかけると奥から若い女性の声が聞こえてきた
「はいはい、いってらっしゃいお客さんに失礼のないようにね~そうそうそしたらギルドの方によって家賃の集金もおねが~い」
そして私は店員と一緒に王都の西門に向かう、王都での冒険者生活は有意義に過ごす事が出来そうだ
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