第4話 ジェーンとアルゴー
ジェーンは今、机に向かって勉強しています。
アルゴーが、そっとジェーンの肩に手を置いて
「ジェーン様。お茶にしませんか?少し疲れたでしょう」
「はい。先生。数学は私一番苦手なんです。なんだか、肩がこってしまって」
アルゴーはニコリと微笑みます。
お茶の用意をするためにジェーンはキッチンに向かいます。
お手伝い長のアルフレッドがジェーンを見つけます。
「ジェーン様。何か御用ですか?」
いかにも、上から目線で厳しい口調で言います。
ジェーンはか細い声で
「お茶を飲もうと思って」
と言うとアルフレッドが
「何ですって?!もっと大きな声で言ってもらわないと聞こえないでしょう?」
と返事をします。
ショックを受けたジェーンは、また、シクシクと泣き出します。
「心配になって来てみて良かった。ジェーン様。泣かないで下さい。ボクがお茶を用意しますから」
ジェーンはコクリとうなずきます。
様子を見ていたイボンヌは面白くないわね!と唇をかみます。
「あーら。アルゴー先生。ごきげんよう。お茶なんて私がいれますわ。先生は座っていてください」
実はイボンヌもアルゴー先生に恋心を抱いているのです。
「いや、ボクがいれますよ。食器は確かここでしたよね?」
「いえ、私がやります」
アルゴー先生の手とイボンヌの手が重なり合います。
二人は顔を真っ赤にさせて俯きます。
「先生。ごめんなさい」
「いえ、ボクこそ」
二人がこんな事をしている間にアルフレッドがお茶の用意をしています。
「さ、ジェーン様。これを持って早く二階へ行ってください」
「はい。アルフレッドさん」
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