第3話 姉妹仲

 長女が病弱だというのに、父親も母親も姉妹も誰も看病しません。


 主治医に任せっきりです。ジェーンだけが浮いた存在になっています。


 アンソワーズとミルが仲が良くてシェルとイボンヌが仲が良いのです。


 ミルがアンソワーズの髪をときながら


 「ねえ、お姉さま。ジェーンは、これから、どうなっていくでしょうか?」


 「そんなの私に聞かれても知らないわ。病気なんだから早死にでしょ。オホホ」


 アンソワーズは心の中でジェーンの事はいらないと思っているのです。


 邪魔な存在。目の上のたんこぶなのです。


 「今度はミルの髪をとくわ。くしをかして」


 「はい。お姉さま」


 アンソワーズは心の中でジェーンが早く死んでしまえば遺産の分け前が多くなると思っているのです。


 そうとも知らないジェーンは寝ては勉強。寝ては勉強を繰り返しているのです。

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