第163話 カナディーラが生まれた意味を知るRPじ

『極振り拒否して手探りスタート! 特化しないヒーラー、仲間と別れて旅に出る』発売中です!


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それでどれぐらい、どんな感じに変わっているのか分かると思うので、まず試しに読んでみてくださいね。

なんとか2巻3巻と出してみたいです。

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 それから、ゴブリンやコボルトと書かれた板を見送って次の棚へ。

 そこは主に植物について書かれた板が並んでいた。これも冒険者ギルドの資料室と同じだ。

 ポナ草、ケル草、エナ草など、以前、森の村でハナ婆さんに教えてもらった草に加え、ポン草、スクラ草など、知らない植物の名前も並んでいたけど、それも見送る。

 植物についても知っておきたいけど、これもまた今度にしよう。

 その隣の棚は板ではなく本が並んでいた。

 しっかりと皮の表紙で覆われた高そうな本や、獣皮紙で作られた分厚い本まで様々ある。

 しかしそのタイトルはよく分からない本が多かった。

『空はいつも青い』『我々が生きる理由』『やれば出来る』『心を燃やせ』など。一冊手にとって読んでみたけど筆者の考え方とか精神論が延々と難しく書かれている本で、どういう本なのかよく分からない。これが異世界の人気書籍なのだろうか?

 よく分からないままこの棚も一通り背表紙のタイトルを確認するぐらいにして次の棚へと進む。

 歩きながら逆側の棚も確認したりしていくと、伝記?なのか小説なのか分からない本が並ぶ棚を見付けた。

 その棚にあった、『カリ王 ルドラ・オム・ナムブードリパッドの伝説』という本になんとなく目が留まり、棚から抜き出してパラパラとめくっていく。


 山で修行を積んでいたルドラは新たな修行場所を見付けるために山を下り、そこでモンスターに襲われている馬車に遭遇する。馬車の護衛達が手こずっていたモンスターなどルドラは意に介さず、またたく間に殲滅して馬車へと駆け寄った。するとなんと馬車に乗っていたのは王女で、彼女はルドラにいたく感謝し、その強さに惚れ込み彼を王宮へと招いて盛大にもてなし――


 というような話が続いていた。

 

「へー」


 なんだかどこかで読んだことがあるような話だ。WEBサイトかなにかで見たのか……いや、こういうストーリーは古今東西どこにでもある英雄譚か。王道ストーリーってやつだよね。

 本をパタンと閉じて棚へと戻す。

 興味がないわけではないけど、とりあえず今はいいかな。

 そう考えながら同じ本棚を探っていくと、かなり古びた表紙ながら金属で縁取りされたりしてかなり頑丈そうに作られた分厚い本、『カナディーラ王国記』を見付けた。


「あれっ……」


 カナディーラは今いる国の名前なんだけど、確かこの国は『カナディーラ共和国』だったような……。などと考えながら棚から抜き出してパラパラとめくっていく。

 軽く読んでみた感じ、その最初の内容は地球でもよくある?建国記っぽかった。

 神に選ばれし男が民衆を率いて戦って国を興して王になった、みたいな。

 これは長くこの国に留まるなら読んでおいた方がいいかもしれないと思い、脳内の読んでおくリストに記憶しながら次の本を探そうとすると、近くに『カナディーラ共和国建国記』という本があることに気付く。

 なんとなくどういう本なのか察しつつ、その本を棚から抜き出して読んでいった。


 カナディーラ王国、第一四代国王ヨルンティウスが病に倒れ、若くして帰らぬ人となる。

 ヨルンティウスには子がおらず男兄弟もいなかったことで、一三代国王の弟であるヨルティクスの子、ヨルケイレス公爵が王位の継承権を主張。一方、王妃の一族である大臣・アルメイル公爵が王妃の王位継承を主張しヨルケイレス公爵と対立。

 それを憂いた王妹メリーシカが夫である将軍・シューメル公爵に助けを求め、事態の収集に当たろうとするが、両者が拒否したため三公爵が睨み合うことになる。

 しかしその内乱のスキを突いて隣国カリム王国がカナディーラ王国に侵攻。

 国存亡の危機が訪れたことで王妹メリーシカを中心に三公爵が和解。不可侵条約を結ぶ。そしてカリム王国を退け、三公爵を中心とした王を置かないカナディーラ共和国が生まれた。


 というような内容になっていた。

 要するに、王も正当な王位継承者もいなくなって内乱になりかけたところに他国からの侵略があり、仕方がないから和解してそのまま。という感じだろうか。

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