ステータス上げと人脈作り

 ステ上げとステハゲって似てる……似てない? なRTAはーじまーるよー。

 今回は依頼を受けつつ、ギルドに入ってくれるメンバー探しです。

 まずマグナムを起こしましょう。


「オッハー! オッハー!!」

「うるせえ!!」

「センセンシャル! 朝食作ったんで許してください! 何でも許してください!」

「……しかたないね」


 二人で飯食ったら授業へいざ鎌倉。前半の座学はスキップだ。ヴァンと一緒に戦士科の授業に出ましょう。

 別の科の授業に出るというのは、新キャラが出る条件でございます。あとは商店街にでも行くか、ダンジョンで知り合うかお祭りイベントですね。


「ほらいくどー」

「来たかホルガン。時間ピッタリとは歪みねえな」


 練兵場にマグナムがいます。今日は一緒に受けられるみたいですね。ちまちま好感度を稼ぎましょう。


「また強そうな男を仲間にしたもんだなホルガン」

「悶絶銃器専属調教師のマグナムくんです」

「変な称号をつけんな。あんたも知ってるぜ。赤毛の剛剣ヴァン・マイウェイ。たいそう強いらしいじゃねえか」

「おう、機会があればどんだけ強いか見せてやるぜ」


 親交が深まっているみたいで何よりです。ヴァンはトロフィーゲットのために倒さなければいけないのですが、ガチバトルは仲良くなっていないとできません。


「よ~しお前ら集まってるな? 今日も気合入れていってみよ~うじゃないの」


 戦士科教師のアクセル先生が来ましたね。黒いコートとシルクハットにグラサンで、ムチのようにしなる長い剣を使います。一年はアクセル先生である確率がかなり高く、優秀なのでステの伸びに期待できます。人間の鑑がこの野郎。


「よ~し、まずは基礎トレいってみようか」

「わっせわっせ」


 基礎部分はボタン一つで勝手に結果が出ます。ぱぱっと見たら自由行動です。

 筋トレ続行組と必殺技の開発組、そして手合わせ組がいます。もろちん手合わせに参加です。対人経験を積ませましょう。新キャラの性能を見つつ勧誘するのだ。


「勧誘は誰にでもすりゃいいってもんじゃねえ。戦いながら見極めな」

「おかのした」


 目標は回復もできる前衛を一人確保することです。ホルガンくんは火力重視のスピードタイプ。盾になるタンク役が必要です。マグナムを守る人も必要ですからね。あと後半は原作メインキャラと行動するため、無駄に仲間を増やしても使いません。イベント増えるだけで邪魔なんだよお!!


「んじゃまずオレとやってみるかい?」


 ヴァンに手合わせ誘われたので早速やっちゃいます? やっちゃいましょうよ! 好感度! 暴力! 戦闘経験! って感じで。はいじゃあよーいスタート。先手必勝。しょっぱなから必殺技じゃい!


「秘剣アイスT!!」

「爆熱ぶった斬り!!」


 ホルガンくんの必殺技は、ヴァンの爆発する斬撃でぶっ飛ばされちゃいました。ホルガンくんごと。


「アツゥイ! アツウィッシュ!! 痛いですね……これは痛い……」


 まあ負けますわな。一撃だぜ。勝負になりません。それでも経験値になるので、ガンガン戦いましょう。死ぬ寸前まで戦わせてやるからなー。


「ほらポーション持ってきてやったぞ」

「アリシャス! あぁ~生き返るわぁ~」


 怪我人用のポーション置き場があるので、そこから拝借して回復できます。回復したらそこらの人と対戦していきましょう。勧誘も忘れずに。


「対戦アリシャス。まずうちさあ、ギルドあんだけど……」

「嫌です……」


 なんで? しょうがない次だ次。


「Fランクギルドしか無かったけど、いいかな?」

「まずいですよ!」


 二人目も勧誘失敗。一応強い男を狙って誘っているのですが……まああと五回くらい戦えそうだし、次いってみよう。次はマグナムと2VS2でイってみよう。


「ダメみたいですね」

「いやあスマッセーン」


 なんで? なんで? なんで? 勝ったやん。勝って勧誘してもフリーじゃないから無理って。あーもうめちゃくちゃだよ。


「救いはないんですか?」

「ないです」

「ああんひどぅい」


 結局ダメでした。おい授業終わるぞ。確かに途中で知り合った連中は新キャラですが、相性が悪いとほいほいついてきてくれません。仕方ないので時間いっぱい組手を続行します。まあ想定の範囲内ですね。


「これ勧誘無理だゾ」

「そうだ相棒、オレは兄弟がいねえが、相棒にギルドに入ってくれそうな身内はいねえのかい?」

「ファッ!? い……いますよ……」


 おや? ホルガンくんが家族系のワードに反応しましたね。若干うろたえている気がします。顔が青いぞ。

 家庭に問題抱えているパターンはやめてくれよなー。頼むよー。普通の家庭の子のはずですが、これが王族貴族だと兄弟間で後継者争いとかあってクソ長イベントが入ります。RTA壊れちゃ~う。祈りましょう。


「……事情は聞かねえ。ダメなら地道にいこうぜ。まだ勧誘初日じゃねえか」

「アリシャス!」


 いい子だなマグナム。見た目完全に世紀末で洋画劇場なのに。

 さて失敗に見えるかもしれませんが、それほど悪い結果ではありません。

 仲間を作る理由は、原作本編のイベントに参加するためです。そのためにメンバーが必要なだけで、どっかFランクのギルドと合同で参加してもいいのです。組手を続けて人脈を増やしたので、まあなんとかなるでしょう。


「そろそろ授業も終わりだ。帰って休むか」

「ないです。クエ行きますよーイクイク」

「マジか」

「片付けあくしろよ。俺もやったんだからさ」

「了解」


 お片付けが終わったら、戦闘系の依頼に行きましょう。盾役ゲットのために騎士科に入るという選択もあったんですが、騎士科って本編キャラが少ないのと、ホルガンくんの戦闘スタイルに合わないんですよねえ。最終的には個人戦になるので、今の戦法を極めるしか無いですねえ!


「依頼が少ない……少なくない?」


 今日は依頼が少ないみたいです。ある程度ランダムで出るため、こういう日が一番困るんですよねえ。ですがそこは走者の知識を活用します。受ける依頼は『特殊材料の収集護衛』です。依頼人の一人が勇者科のホノリやん! 絶対受けたろ!


「護衛? オレは構わねえが」

「やったぜ。至急、依頼人に会おうや」


 メリットはいくつかあります。まず依頼人が鍛冶科の人間であること。武器の相談とかしやすいので、コネでも作りましょう。護衛ということは多少ですが戦闘があります。これで経験を積み、途中で平原を通るので、派手に暴れてもいい場所としてブクマしましょう。


「依頼を受けてくれてありがとう。勇者科・鍛冶科一年のホノリ・リウスだ。よろしく……って確か勇者科じゃないか?」


 ホノリは金髪外ハネヘアーで、黒い犬のケモ耳と尻尾があります。快活そうで落ち着きがあるという微妙に相反するような不思議なやつです。腕に装備されている魔導パイルバンカーは自作の武器だぞ。


「ホルガン・モザイクローム、学生です」

「そりゃ学生だろ。マグナム・マキシマムだ。よろしく頼む」


 ホノリは世界三大国家であるフルムーン王国において、最高品質を誇る鍛冶屋の娘です。鍛冶屋だけど貴族の位を与えられ、騎士団長の武器も作るというやべー一族なのだ。原作小説ではアジュの武器作成で度々出てきますね。絶対に仲良くなっておきましょう。


「準備はできているみたいだね。早速行こうか」

「近場とはいえ、護衛がFランク二人でいいのか?」

「私も戦えるし、友人が護衛してくれるんで問題ないよ」


 三人に近寄るイケメンの影。中性的な見た目と雰囲気を漂わせています。


「高等部忍者科・騎士科一年、イガ忍軍のユリスティです。よろしくお願いいたします」


 綺麗な藍色の髪を肩に届かない程度に伸ばし、赤と青の瞳が綺麗なイケメンさんです。小さく丸い眼鏡と黒の執事服と白手袋が似合いますねえ! 長身でスラッとした外見が王子様みたいだあ。いやこいつ誰だっけ? ホノリの相方はエリザというイガ忍者のはずですが。


「悪いねユリ。ついてきてもらって」

「いいえ、エリザお嬢様の代役がどこまで務まるかわかりませんが、お供いたします」


 思い出した。試走で何回か仲間にしたことがあります。どうやら都合がつかなかったので代役頼んだみたいですね。まあメインはホノリなので深入りしなきゃ問題なし。さくさく進めましょう。


「それじゃ、出発するよ。気張らずにいこう」

「かしこまり!」

「オッケイ!」

「かしこまりました」


 でもって移動はスキップです。このへんぱぱぱっと進んでくれるのは大変ありがたいですね。目的のエリアに着きました。


「んにゃぴ……やっぱり掛け声や決め台詞は自分でやった方が気持ちいいですね」

「一理ある。で、決め台詞は?」

「やっぱ『地獄へ落ちろ、ベイビー』ですねえ!」

「歪みねえな。機会があったら使わせてもらうぜ」


 移動中から続く雑談タイムみたいです。完全に遠足気分ですね。ちゃんとやらないとご褒美はないんだぞ。


「それじゃあツルハシは持ったな! いくぞお!」

「お嬢様の代理、しっかりと勤め上げてみせます」


 採石場へ到着し、断崖絶壁みたいな高い壁を掘り進みます。特撮のラストで火薬使いまくる場所っぽいですね。嫌いじゃないわ。


「気になったんだが、材料的には近場で取れる安物だよな? 事情がわからねえが、買えばいいんじゃねえか?」

「無理。鍛冶科の課題で使ってたんだけど、私のグループは調子に乗って材料使い果たしてね。自分達で材料揃えて来いって言われちゃった」

「計画的に動いて、どうぞ」

「いやあ学園の設備って凄くてさ。ついついやりすぎちゃって」


 順調に進んでいるようです。


「敵が来たよ。最悪私も戦うから頑張って」

「いいですねこの、戦場感覚」


 かまとかげですね。全長1メートルくらいで、しっぽが体の倍あるトカゲです。しっぽが鋭い鎌になっており、バネにして飛んでくるザコです。円月輪が縦に飛んでくるイメージですね。


「エンジン全開!!」

「植え付けを行う!!」


 多少群れで来ようが問題ありません。ホルガンくんのスピードで側面に回って攻撃すれば一撃だぜ。どうしても厳しい時は、氷を地面から出して動きを止めましょう。アクションゲーム得意なので、こういう時が動画のみどころさんです。


「及ばずながら援護いたします」


 ユリくんの投げナイフと分身の術がホノリを守ってくれています。イケメンがいっぱいだあ……これは好き放題暴れてもクリアできますね。

 ついでにホルガンくんの速度を大まかにチェック。こいつまだ音速突破できていませんね。少しステ上げを急ぐ必要があるかも。理由はその時にでも話します。


「敵弱すぎぃ!」

「歪みねえな」


 はいマグナムくんの射撃の腕が予想外に高いので、かなり早く倒せました。ほんま……ええ子やな。


「お二人とも予想以上にお強いですね」

「こりゃ当たりを引いたね。また依頼しようかな」

「オッスお願いしまーす!」


 ザコ倒すだけで終わるし、いやあいい依頼です。トラブルもなく達成したので、じゃあ帰りとか全部倍速で……どうして等速に戻す必要があるんですか?


「おい、なんかいるぜ」


 くっそでかくて黒くて硬そうなドラゴンが出ましたね。おかしい、こいつ中盤くらいの敵じゃ……このエリアで出るもんじゃないぞ。

 まあ対策くらいありますし、さっきも言ったようにアクションに自信があるので楽勝です。おら、なめてんじゃねえぞ?


 あれ操作できませんね。イベント扱いかな? いつでも動けるように準備だけしておきましょう。あくしろよ。

 ようやくドラゴンくんが動き出しました。ホノリが超スピードで狙われています。ここで二択? 『ホノリを庇う』と『ドラゴンに攻撃する』ですか。

 攻撃が通じそうにないので庇っておきましょう。全力ダッシュしてホノリを突き飛ばします。はいホルガンくんの背中にがっつり爪で傷が付きましたね。


「ああああああ痛いんだよおおおおぉぉぉ!!」


 HPがっつり減りました。まあ即回復してマグナムと連携すれば……どうしてまだ操作できないんですか?


「避けろ相棒!!」

「ンアーッ!!」


 おファッ!? ドラゴンからの火炎ブレスと爪により、ホルガンくんがふっ飛ばされましたね。いやいやいやいや!! うせやろ? イベントで全く動けず死ぬみたいな理不尽なものは無いはず。


「ホルガン!?」

「いけません、ホノリ様だけでもお逃げください!!」

「できるわけないだろ! 私だって戦える! まずホルガンを回収するんだ!」


 おかしいですね。自由度とアクションが売りの作品で、イベントムービーでミスもなく主人公が死んでゲームオーバーは最悪です。それを理解した開発陣のはず。


「オレが時間を稼ぐ! さっさとそいつ連れて逃げやがれ!!」


 えー……こんな理由でリセはガン萎えですね。うせやろ? あーこれはもう地面が血に染まっていますねえ。序盤のクエでこんなん聞いていません。


「ンアアアアアアアァァァァァ!!」


 クッソ汚い咆哮とともにホルガンくんが起き上がりました。なんか全回復してますね。どういうことだよ、ちゃんと説明してくれよ。とりあえず動けるようになったのでボスを倒しましょう。スピードとパワーが810倍くらい上がっているので、これは血の暴走イベントですね間違いない。なんだこのイベント消化の早さは……たまげたなあ。ただでさえ楽勝な敵なんで、急所を攻め倒して最速で終わらせましょう。


「お前のここが……隙だったんだよ……」


 弱点の後頭部に槍を突き刺し、最後に剣で首をはねて工事完了です。同時に力尽きたのかホルガンくんが倒れましたね。生き返れ生き返れ。


「ホルガン! しっかりしろ! 今病院につれてってやる!!」


 マグナムが介抱してくれました。人間の鑑がこの野郎。

 どうやらホルガンくんを病院に連れて行くようです。特に危険もないでしょうし、病院までスキップだ。

 今回はここまで。詳しい説明は次回にします。じゃあな!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る