真夜中の海に心中入水
私はね。貴方の事が好きだったのよ。それも、どうしようも無いぐらいに。
でも、そんなの貴方には言えなかったの。だからこうして心を許してないヒトなんかと心中を図ろうと海に居るの。
貴方には伝えられないからこの波の音にすべて流して貰うのよ。
全て溶かして、この真っ黒な海の中の一つになるの。
何故貴方にこんな事が言えなかったかなんて。だって……それは。
「貴方が知っているから、隠したのよ」
「? どうしたんだい?」
「何でもないわ」
「そうか。じゃあ、そろそろ一緒に」
「この海に溶けてもアナタと一緒よ」
「そうだね……大好きだ」
「ええ。おやすみなさい。良い夢を」
そうして私は、脳裏に貴方を浮かべ貴方の事が好きだったと最期まで思いながら黒い波に飲まれる。
だって、貴方が私の事を壊したのだからしょうがないじゃない。
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