レインボールーム
まずは紙とペンを用意しましょう。
思い出しながら彼女の印象を書いていくの。
控えめな性格、くすぐったそうな笑い方、人を傷付けないよう考えられた言葉たち。
おとなしい声、可愛い素振り、そして一番はイメージカラー。
だいたい書き終わったら次は本を開いてね。
彼女にどんな物が似合うか考えるのよ。
3本ライン? お星さま? 三つ編み模様? それとも、ジグザグかな?
種類が決まったら、次は色を付けていくわ。
ベースは何色? 色の数も決めなくちゃ。ここは黄色でそこはピンク。追加で差し色をいくつか加えて。あれ、あの色まだあったかな。
真っ白な紙がカラフルに埋まっていく。この地道な楽しさだって製作意欲をかき立てるの。
色も決まったら、次は編み台と色とりどりなゴムの数々、忘れちゃいけない編み棒も準備。
今回の色はブラックが10個、ネイビーが8個、あとはこれとこれとこれと......。何色も少しずつ使えば偏らずに済むのよね。
そうしたら本のページをめくってね。
このブレスレットを作るならこのページ。もくじにちゃんと書いてある。
最初は編み台のピンにゴムを2重にかけてね。
次に8の字にして、隣のピンに伸ばすのよ。
ちょっと怖いけど、案外切れないものなの。
そうそう、ゴムをかけるときにはねじれないように丁寧に。出来上がりの時にすごく綺麗に見えるわ。
これが出来たら、次はこのゴムをこうやってかけていく。これの繰り返し。案外単純でしょう?
ああそうそう、言うのが遅くなっちゃったけど最初と最後に注意。ゴムをまとめるためにちょっと変わったかけ方だからね。
さて、丁寧に、上手くかけ終わったかしら?
そうしたら次はついに編み棒の出番。編み台を逆向きにして、最後にかけた方から編んでいくの。
かけていく順と逆再生みたいにして編んでいくと......ほら。だんだんアクセサリーっぽくなってきたでしょう? ここでやっと完成が見えてくるのよね。
全部編み終わったら編み台からゴムを外して形を整えて……完成!
あの子のイメージに合うブレスレットの出来上がり。
人のことを考えて作ったものは、しっかり相手に伝わって、大事にされるの。
だからって作るのがやめられないのは自分でもどうかとおもってるんだけどね。
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