ワイノ・ワイノ まっしぶ様 紹介文
当直といっても、大して何かをするわけではないのです。
基本的な役割は待機。入院だったり入居者さんに異変が起きたりと、なんらかのことがあれば動くのである。
当直帯であっても、昼間と変わらず仕事をしなければならない方々に比べると、ぶっちゃけ非常に楽なものである。
祝日に泊まらなければいけないため、祝日の手当てももらえるし、正味うっはうはなわけである。資本主義社会において、お金とはパワー。
いやほんとなんかすいません。
かといって気持ちとしては楽ばかりではないのです。Wi-Fiもないし。
拷問相手をいち早く発狂させたいのなら、何もしないということも手であるらしい。
ただ何もない部屋に閉じ込めて、新しい情報を何も与えないこと。これも立派な拷問である。
人間の機能は使わなければ低下し、果てには退化していくものらしい。
新たな情報や刺激がないことこれは人間にとってはひじょーに厳しい環境であるとも言える。引きこもりになると、行動がターン制になるという。一日一回しか行動できなくなる。
まあつまりは、強制的に職場に詰め込まれている状況って、何もしないならしないで辛い!
ああ散歩とかに行きたい。せめて部屋でなんらかの動画見たり未だやってるマリオオデッセイとかやりやい。
そういえば、涼宮ハルヒの憂鬱のアニメが、今ニコ動で無料配信されているなあ。ついつい昨日は夜更かしして見てしまった。
今見ると昔よりも面白く思うからすげえよな。伏線だったりキャラの心情だったり設定だったり、昔の漠然とした理解じゃなく、ある程度はわかるようになったからだ。
スニーカー大賞取ったのも納得だ。憂鬱の構成は完璧だもん。
憂鬱のクライマックスの盛り上げ方はやばいね。今までの伏線を一気に収束させる感じ。キョンの特徴的なセリフからの翌日のハルヒは可愛かったね。
なんだかつらつらと懐古してしまうくらい、なんだか閉塞感に囚われている。けれど翌朝まで帰れない。
もう書いたり考えるしかやることはないので、脳の中は色々な思考でグルグルだ。魔法陣よりもグルグルしてるぞきっと。
脳内の天使や悪魔やオカマが暴れ出す。なんだかぎゃーぎゃー騒ぎあって、しっちゃかめっちゃかしている。
そりゃあもう、わいのわいの。
わいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのかいわれわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいのわいの
※お使いのPCは正常です。
世のため人のため金のため、今日も元気にがんばるぞい。遠藤です。
あっ、元気でーす。
日常感漂う空気の中、ちょっぴり騒がしいファンタジックな非日常、ワイノ・ワイノの始まりです。
綾川スイラ
人の身に化ける能力を駆使して、人間社会で暮らしている、化けイタチである。
幼少期に命を救ってくれた大井くんには、淡い恋心を抱いている。
大井くんは、一言で言えば肥満体型。
美味しそうにご飯を喰らい、仏様のような微笑は絶やさない。肥満体型の男性なんて。そういう人もいるだろうけど、彼にはそういったところはとても魅力的なのだ。
モチモチした体は何もかもを包み込んでくれそうな包容力に溢れている。彼のほんわかとした体のように、穏やかな心は、デブなんて言葉はちょっとちがう。
フワフワモチモチ、マシュマロボーイ。
とても素敵な、人なのだ。
で、
青天の霹靂とはまさにこのこと。
初秋の寒風が吹きすさぶ夕暮れ時、
西の空に大井くんが浮いていた。
妖怪や魑魅魍魎。世の中の不思議は科学の発展に隠されて、存在はだんだん希薄になっている。
神仏を祭る行事も、時代の流れか形骸化の一途。
まことこの世は生きにくい。
それはもう、人間たちの文句ではなく、妖怪たちの嘆きであろう。
そんな中、現代に生きるファンタジックな存在たちは、人に化けながらひっそりと暮らしていた。
変化の術もままならない、幼いイタチのスイラは、狩猟用の罠にかかってしまった。
パニックに陥り、人間に戻ることすらも失念したスイラは、ただ泣き続けるしかなかった。
そんなスイラを助けたのは、ふっくらとした丸っこい男の子、大井であった。
大井少年は寛大であった。罠を外して、安心させるようにスイラの背中を撫でた。
なんせ命を救われたのだ。幼いスイラが恋心を抱くには、それだけで十分すぎる出来事だった。
しかし、人のことを信用するには、幼いスイラは臆病すぎた。
その晩に逃げ出し、お礼をするべきだという心を押し殺しつつ、大井の家を後にした。
大井くんは偶然にも、通っている小学校では隣のクラスであった。
しかし、中々声をかけられぬ。見つめるたびに、心は募る。
それから悶々と過ごしているうちに、別れは突然やってきた。
大井はいきなり、転校してしまったのだ。
運命はとても数奇なもので、離れた糸も、また絡まる。
人里で暮らすようになり、変化の術も完璧となった。
スイラは人間の世に適応し、イタチでありながらも宅配ピザを頼んだ。
聡明な諸君であれば、展開的にもうお分かりであろう。
宅配ピザを運んできたのは、当然
大井であった。
呼吸は詰まり、動悸は激しく。掟も忘れて、自らのことを話し出した。
「信じてもらえないだろうけど、わたし、あの時大井くんに助けてもらったの」
「そうかぁ。やっぱり君がそうだったんだね。綾川っていう女の子、山で助けたあの子と目が似てるなぁって」
大井は本当にお人好しだなあと呆れてすらしてしまう。
けれど、スイラはとても安心していた。
そんな彼の超越的な人格に、惚れたのだから。
「急にこんなこと言うのもあれだけど
わたしと、恋人として付き合って頂けませんか?」
「あ、ええ、いいですよ」
一日千秋の思いは、疾風怒濤に実ったのである。
人とイタチの賑やかな日常。
はてさてどのような彩りを見せるのやら。
大井くんを浮かせたのはあんたでしょ
スイラは生意気な弟にキレ気味で詰め寄った。
だって、あのデブ、きにくわねぇんだよ。デーブ、デーブ
スイラの弟、スグルは生意気に言い返した。
人とイタチは相容れぬ。
自分の姉がわけのわからないデブと恋人同士になったことで、スグルは悪戯を繰り返すようになった。
あんたが人間を嫌う気持ちは痛いほどわかる。だけど、あんたが思っているほど、そんなに悪い人ばかりじゃないよ。
母の諭すような言葉にも、スグルは聞く耳を持とうとしなかった。
うるせぇ! とにかく絶対認めねぇからな!
バイト先のブリティッシュパブで、スイラは大井に大いに謝っていた。
スイラの友人、涼葉も現れ、店内は一気に騒がしくなった。
オネエ口調の店長、重雄は言った。
「きっとスグルくんは、お姉ちゃんが大好きなのよぉ」
吹き出してしまう。それはきっとないだろう。
「大好きなお姉ちゃんを他の男に盗られたくないわけ」
また笑ってしまう。
弟がそんなに愛らしいなんて、スイラには到底思えなかった。
でも小学生の頃は、すぐに泣いてお姉ちゃんって後ろをくっついてきてたっけなあ。
愛らしかった泣き虫弟も、今となっては憎らしい。
大好きな大井くんに、ちょっかいをかけてくるのだから。
「喧嘩っていうのは、基本的には好きな者同士だからできるのよ。つまり構って欲しいっていうサインなのよ」
大井くんはとても優しい。
いつでもニコニコ微笑んでいて、わたしの隣にいてくれる。
「僕、綾川さんのことが好きだし。家族になれたらいいなって思ってるもん。恥ずかしくないよ」
そんな恥ずかしいことを臆面もなく言えるところが、
大井くんの好きなところ。
けれど、わたしはイタチで
大井くんは人間。
幸せすぎて、忘れたくなってしまう。
種族の違いは、どうやったって変わらないんだよ。
我々は貴方様とは違う種族の者でございます。由縁あって今は人界で暮らしておりますが、本来は人と相容れぬ世界で生きるさだめでございます。
違う種族であることを知った上で交際を始めたのですか?
本来は一時の感情で交わっていいものではないんだよ
スイラの両親は、当然の弁で大井に突きつけた。
種族を超えた恋愛など、本来は到底叶わぬ願い。
けれど、当の大井は。
「僕は人間社会で生まれたごく平凡な人間です。でも、スイラさんを幸せにしたいんです。だから
僕が婿入りするというのは可能でしょうか?」
「俺は認めねぇぞ!」
スグルはどうしても、大井のことが気に食わなかった。
スグルはまだ子供です
いいえ、彼はもう充分に大人です。自分の頭で考え、自分の意思で行動している。
スグルくん、いい子だよ
私はね……龍ですよ、大井さん
スイラはスグルにご立腹で、スグルを懲らしめる計画を立てた。
スイラは大井を傷つけるスグルのことが許せなくて
スグルは大井のことを認められない。
イタチだなんだと、言うけれど。
これではまるで、人間ではないか。
もっと素直になれないものだろうか。
でも本当は、わかっている。
それはたぶん、人間にも妖怪にも難しいことだろう。
あいつね、子供の頃溺れたの。それがトラウマになって泳げなくなったの。
語った時に、思い出す。スグルが溺れたのは、わたしのせいだったんじゃなかったのか。
どうして忘れていたんだろう。どうして忘れることができたんだろう。
いっつも後ろをついて来ていた弟。
臆病で、泣き虫で、気が弱かった弟。
わたしは、姉失格なのかもしれない。
いっそ死ね、馬鹿野郎!
ついに言ったなクソ姉貴! てめぇが死ね、馬鹿女!
姉弟の喧嘩は激しさを増し、互いの思いは届かない。
神器を使って空を飛び、岩をも投げる大立ち回り。
きっと皮肉なことながら、二人の思いは一つであろう。
どうして、
わかってくれないんだろうか。
人間はとても難しい。
人間はとても面倒くさい。
色々考え、社会を作り、悩みながらも生きているのだから。
けれどもきっと、イタチだって同じだ。
人と同じ言葉を話し、同じことを考えて、共に生きているのだから。
言葉が通じれば、きっとわかりあえる日がくるはずだよ。
大井くんの言う通りなのかもしれない。
同じ言葉を話せるのだから、わかりあえるのかもしれない。
人とイタチも。
姉と弟も。
僕は綾川さんを好きだよ。たとえハクビシンだとしても
イタチ!
ごめん
ワイノ・ワイノ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881439506
人とイタチと種族は違えど、悩める姿はどちらも同じ。
不思議な不思議な共生の日々は
わいのわいのと騒がしい。
バトルものって書きやすかったんだなあと、ちょっと身もふたもないことを思いました←言うな。
でもやはり私は、こういった物語が好きなようです。
様々な色を持ったキャラクター達が織りなす、葛藤やすれ違いも含まれた人間味あふれる日常。
ありふれた悩みをドラマチックに描けることって、実はとても尊いように思います。
そしていよいよラスト、ケンタくんラリアットです。
今回で一番好きになった物語なので、自然と気合も入りますが。
50万字から抜粋せねばならんのですね(絶望)。
頑張りまーす。
(でも多分今日は無理だと思います)
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