殺戮コロシアムで僕は序列七位に恋をする 河童Δ様

 声に出して読みたい日本語。





 笑って 笑って 笑ってほしいよ ぎこちなく私は生きる (天野月子 『人形』)

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 愛されたい願望とそれでもうまく生きられない慟哭を感じます。








 壊れるほど愛しても 1/3も伝わらない (『1/3の純情な感情』るろうに剣心ED SIAM SHADE)

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 あーどれだけ気合を入れて物語を書いても、作者の思いほど読者には伝わらないことはよくあるものですよね。








 一難去って、また一難 ぶっちゃけありえない‼︎ (DANZEN!ふたりはプリキュア)

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 キツすぎてぶっちゃけありえない。











 殺戮コロシアムで僕は序列七位に恋をする 河童Δ様


 https://kakuyomu.jp/works/4852201425154948273


 大分麻痺してましたけど、やっぱり一気に読むのはぶっちゃけありえなかろうが、くじは普通です。











 僕が目を覚ましたら、何故だか異世界にいた。


 異世界召喚ってやつなんだと思っていたけれど、なぜだか体の勝手が違う。


 膨らんだ胸にハリのあるお尻。


 何故か女の子になっていた。


 しかも召喚された場所は、見世物として戦いを強制される、殺戮コロシアムだった。













 男が女の子として転生した設定を活かしているところは利点だと思いますね。


 サービス的な意味合いで言いますと、女の子と合法的にイチャイチャできるというには、発想の良さなのかもしれません。


 そして、おそらく作者様が一番のウリにしていると思われる部分は、か弱い女の子であるにも関わらず、コロシアムを勝ち抜いていくための知恵や工夫の部分ですね。


 実際ではペンより剣が強いのかもしれませんが、舌先や工夫は剣にもまさる場面があります。刃を奮うのも、戦いに挑むのも、それは人間なのですから。


 作者様の教養として、劇作家知識があるみたいですね。


 人間心理や行動心理を利用し、相手の行動を限定したり、行動の意図を推測したり。


 この世は全部ショータイム。劇場型物語といった趣を強く感じます。


 非力ゆえに知恵や自分の性別すらも強かに利用する。


 それでも、愛するもののために悪へと立ち向かう姿は好感の持てる主人公です。


 物語の緩急に優れているのかもしれませんね。意外性だったり、思わぬ裏切りの展開などで読者の興味を繋ぎとめつつも、王道的展開も忘れない。


 きちんと練られていて、展開を作ることに長けたとても力のある物語だと感じました。











 いやあ、すごいですね。













 だからこそ10年前くらいに読みたかった……。
















 歳をとるごとに好みが変わってきたという私側の理由として、心理描写のやりとりが多すぎると昔ほどは熱中できていないことに気づきました。


 そしてどうしても、展開で読者を驚かせることを意図している要素が強く感じるので、案外あっさり意外な人物が亡くなったりします。


 キャラクターを殺すことって、めちゃくちゃリスクが高い行為だと思います。読者としても好感の持てるキャラだったりした場合、その死によってネガティブな感情を抱くでしょう。でもそれを意図しているであろうことだと思うので、更なるカタルシスを生むスパイスともなり得るでしょうね。


 でもこれはただ単に好みと武器の違いなので、ハマる人はとてもハマると思います。今の若い人も濃厚なやり取りで息の詰まるようなバトルが好きであれば、きっとウケると思います。


 文章力はなかなか素晴らしいと思いますし。


 ただこのタイトルって、第1部のみに当てはまるタイトルなんですね。コロシアムの話は一旦終わります。


 第2部、第3部、第4部では出てくるキャラや世界観は一緒ですが、主人公が変わります。リビングデッドの発生では主人公を召喚した魔術師アルフォンス、第3部では戦士オーヴィルといった風に、全く別の物語のような様相を見せます。全部一人称なので視点が変わってますね。


 散々いろんなこと言いましたけど、1部まるまるがそのキャラの一人称に統一されるので、こういった手法なら納得できます。物語内で法則もなくコロコロ変わりすぎると気になるのです。


 全部読ませて頂いた印象として、一番面白かったのは第1部でした。


 何故かと言いますと、この物語で一番異質でウリとしての劇場的な物語展開は、主人公がやっていたから成り立っていたのです。弱いから工夫するし、考えもする。


 アルフォンスもオーヴィルも違った味はあるのですが、主人公とは違うのです。1部の話はコロシアムで生き残るために心理的な虚をついたり、策略を練って強引にことを進めうめたりと知能戦のような印象で、転生者という設定が生きていたように思いました。


 で、2部3部。元からこの世界にいた二人が主人公です。もう完全に別物語という印象です。普通というのは違いますが、よくある異世界ファンタジーという感じに思えてしまいました。1部で感じたこの物語特有の面白さが、薄れてしまったように私が勝手に感じたことを、惜しいと思います。


 あとはですね、一人称でキャラを変えた所、特にオーヴィルの一人称に違和感を感じました。バカなキャラという印象が植えつけられているのでそんなつもりで見てしまいます。けど思考内容はなんだか他のキャラとめちゃくちゃ特徴的な違いを感じなかったのは歯がゆいところです。主人公の一人称もアルフォンスの一人称もオーヴィルの一人称も、全部作者様の一人称であるように感じました。










 でもなかなかここまで意表を突いたり意外なキャラを脱落させたりと、物語をドラマティックにしようという工夫は、なかなか見られないように思います。


 私は特にダメなんですよ。キャラクターを好きになりすぎると、なかなか退場させられないんですよね。


 ただ物語のキャラ設定や世界観設定を見させていただく限りは、相当に情熱を持って作られているんだなあと驚いてしまいます。絶対ここまで作り込めないし、能力ランキングなんてそもそもめんどくさくて私は作らないと思います。バトル物を書いたとしても。


 それだけ物語に傾倒しているにも関わらず、残酷で嫌な展開も作りこめる精神性を、ドラマティックさを優先させられることを。


 ドラマを生むためにきちんと描ける能力。見習いたい部分ではあると強く感じました。



















 8753000



















 あっと二つ!


 あっでもなんでしょう、とてつもなく高いステーキが食べたいです(何故に今?)









 転生者は時を遡り世界を救う 鈴木 淳様


 転生とタイムトラベルという……調理の仕方によっては面白そうですね。


 読み進めます。










 次回予告










 声に出して読みたい日本語2















 IPPAI OPPAI ボク元気 (アニメ『ドラゴンボールZ』より WE GOTTA POWER 影山ヒロノブ)

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 そりゃ元気でしょ。そして語呂の良さ。










 本音押し殺して 夜が明けるまで

 へいへいワカラナイ エニィモア君のこと

 意味深な言葉で カクシンにせまらないで

 うぉううぉううぉううぉううぉううぉううぉう

 Bad communication

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 NIHONGO?

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