主人公の少年:葵の悩みは――空を飛べないこと。
人間なら飛べないのは当たり前。ですが、葵の育ての親も、親友も、みんな空を舞う天狗なのです。
人間であるが故の、ささやかな疎外感を纏っていた葵の日常は、ある日、一変します。
陰陽師である謎の男の襲撃によって。
葵の故郷は、親友は、育ての親は、なぜ襲撃されたのか?
葵は、仇を追って、旅に出ます。
知らない土地、人々、妖怪、そして仲間に出会っていくうちに、葵は国を巻き込む敵の計画と対峙していくことに……。
妖怪が出てくる物語が好きで、出会った本作。
とにかく、先の展開が気になって、ハマってしまいました。
少しずつ、仲間が増えていったり、成長したりする様子は、素直に応援したくなります。
学校の図書館で読んだ上質なハイファンタジー作品を思い起こしました。
主人公のみならず、京介や沙羅(もちろん九尾さまも)をはじめとした全ての登場人物が輝いているっっ!
登場人物全員を好きになったのは初めてです。
戦闘シーンの描写も激しく、かと思えば心の内を繊細に表されており、一度で二度おいしい作品であると言いましょうか…
外伝もあるらしいのですが、自分は未だ読めていません(物語を読んでいる途中で「これはレビューしなければ!」と思いレビュー欄に飛んできたものですから)
作者様は話の隙間にちょくちょく京介の生い立ち?のようなものも入れてこられているのでいい感じに焦らされておりますが、外伝では誰の物語を覗くことができるのだろうかと今から楽しみです。
紫紺側にも何かしらの理由があるのだと思われますが、今後の流れがどうなってゆくのか…
彼らの傍にいるような感覚で物語を楽しむことが出来、その描写力に尊敬の念に堪えません。今後も気楽に更新していただけると嬉しいです。
まあ、つまり自分が言いたいことは、
読むべし!読むべし!